なんて言うか、どうも釈然としないんですよ。
私にとって最大の謎は、なぜ「一色」(※)がこんなに早く「告発」に出たのかわかりません。※「一色」が本名ではないという説が有力ですので、括弧をつけて表記します。また明らかな犯罪者ですので、敬称も略します。
だって、贈収賄罪の時効は 贈賄側3年、収賄側5年ですよ。

(辞任会見に臨む甘利大臣 ロイター1月29日より引用)http://news.goo.ne.jp/topstories/politics/78/9f9f6652b7990ebc012c40d7cc16b1eb.html
それなのになぜ、こんなに早く出て来たのか分かりません。「一色」とやら、あんた、まだバリバリの時効前だよ。
安全な3年目に入ってから告発するのが合理的であり、時効が成立していない期間に自らの身を危険に晒す意味がわかりません。
こういう恐喝犯は、絶対に自分がお縄にならない時期を見計らって、しかも匿名で時効切れになる3年目以降に、「はい、私、恐れ多くも、こういうダーティな金を、清原秘書と大臣に渡しましたです。良心の呵責に耐えきれず告発させて頂きます」と名乗り出てくるものなのです。
ボケていた?まさかね。ボケていた男があれだけ緻密に、下の政治資金報告書にあるように、清原秘書の詰める大和事務所に、毎週のように通って少額献金しているわけがありません。
平成26年2月4日から12月9日まで、ほぼ毎月1万から2万、(100万と50万が各一回)を事務所に献金しに行っています。
こんな餌撒きを絶やさないで、しかもこの間清原秘書を接待漬けにしていたマメな男が、ボケていては困ります。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/151127/1134200117.pdf
ちなみに、この1200万円の領収書ですが、全額が政治献金ではなく、清原秘書との接待に使用したものも含むと、「一色」自身が言っています。
公選法では、議員側は接待できないルールがありますから、「一色」側が出すのは当然です。
これを込み込みにして1200万というからおかしくなるので、どこまでが接待で、どこからが政治献金だったのかをハッキリ線引きせねばなりません。
今の時点では、政治資金報告書に記載のある額が、直接に渡したものだというふうに考えていいので、適正に処理されたと思います。
それはさておき、告発の時期の怪しさに話を戻します。
清原秘書を使ってURから巨額な補償金を受けたとしても、こんな「告発」をすれば司直によって捜査対象になり、すべてがオジャンになってしまうからです。
わからないね。自分で作って、自分で壊してしまう意味がわからない。
なぜ自分で仕込んで、自分で潰すのか、詐欺犯の心理として理解できません。

となると気になるのが、あの衝撃的な文春の頁をデカデカと飾った1200万円の領収書と紙幣のコピーです。
何故あんなものを取っておいたのでしょうか。恐喝犯は、絶対にあんなものを取っておきません。自分で証拠をペタペタ残しておくようなものだからです。
前にも書きましたが、第一あんなもの何の意味もないのです。ただのハッタリ。
家宅捜索で同じナンバーの紙幣が見つかれば話は面白くなりますが、もらった方が紙幣のナンバーを記録しているわけがありません。
ですから、これは証拠性はまったくなく、恐喝の道具に使うか、あるいは別の目的があったとしか思えないんですよ。
ただし、恐喝を受けていたとしても、清原秘書が貰った金のうち使い込んだ300万は本来政治資金にすべきを私腹したのですから、問題なく業務上横領です。
URに口利きすれば、こちらは収賄です。いずにしても、清原秘書はどのような言い逃れもできませんしね。
では、「一色」がなんのために、こんなことをしていたのか。
もっともあり得るのは、清原秘書に対する恐喝です。こんな感じで。
「清原ハン、こんなにワシから金もろて、接待受けてからに。もうワシゃあんたに、いくら注ぎ込んだとおもうとんねん。1200万やで。ほれ見ぃ、領収書も、札のコピーも揃っとるし。これバラてもうたら、大臣の政治生命もなくなるで。TPP大臣なら10億、20億くらいあるやろ」(←なぜか大阪弁)
ところが、大臣側はそれを拒否しました。
これを大臣本人が知っていたかは分かりませんが、去年の夏から秋にかけてでしょうから、甘利さんはTPP交渉の追い込みで、そんなことにかかずり合っている余裕はなかったはずです。
このどこかの期間に、「一色」は文春に情報を売り、恐喝の道具立てに「文春に暴露するぞ」ということを加えていたはずです。
外国人ビザ申請で、文春に写真を撮らせていますから、それ以前にはもう文春との癒着関係は成立していたはずです。
一方、文春は去年10月に新谷編集長が降ろされて、人事刷新されました。
「(「創」誌は)10月8日、松井社長が編集会議で編集長の休養を報告した際の様子を詳細に明らかにしているのだが、それによると、松井社長はこう切り出したという。「私はこの度、新谷君に3カ月の休養を取ってもらうという決断をしました。理由はこの10月8日号のグラビアに掲載された二つの春画です。私はこれが『週刊文春』のクレディビリティ(信頼性)を損なったと判断しました」「新谷編集長は官邸とあまりに親密なため、安倍政権寄りの記事を経営陣が問題視したための処置」(トカナ2015年11月14日)
※http://tocana.jp/2015/11/post_7938_entry.html
部数低迷と「春画」問題で悩んでいた文春は、10月の編集長交代により、「親安倍」から「反安倍」にスイッチしました。
そして、今まで掲載すべきではないとしてお預けにしてきたこのネタを、新編集長は覆して、政局バクダンとして投げ込む決断をしたんだと思います。
おそらく文春経営トップも了承したはずで、一編集長ごときの判断ではこんな大きな決断ができるはずがありません。
憶測の域を出ませんが、文春はそうとう前の時期から「一色」と接触し、共犯関係にあったと思われます。
「一色」の正体も、その目的である恐喝も知りながら、金の授受の写真を撮り、それを「一色」が恐喝の材料にするという犯罪行為のカタブまで担いでしまったわけです。
「一色」はこんな人物です。
「一色氏は数年前まで東京・八王子に本拠地がある右翼団体に所属していたが、いわゆる「大物右翼」などではない。活動は神奈川県内が中心で、「会社を経営しているという触れ込みで、業者と役所とのもめ事に介入する事件屋のようなことをやっていた。陳情のために地元選出の代議士や地方議員の事務所にもよく出入りしていたが、しっかりした秘書がいる事務所からは警戒され、相手にしてもらえなかった」(地元紙記者)警戒される理由は、議員にトラブル処理の陳情を持ちかけるが、陳情がうまくいかないと豹変してマスコミや警察に告発し、議員側に揺さぶりをかけるという、いわば「告発常習者」の前歴があったからだ。3年前、一色氏は今回の甘利大臣告発の「ひな型」ともいえるような行動を起こしている。神奈川のベテラン県議M氏(自民党)が標的にされた。」(週刊ホスト2月1日)http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/postseven-20160201-381594/1.htm
このように「有名」な恐喝常習犯の「事件屋」で、しかも暴力団の背景がある「一色」が持ち込んだ話が、どんな性格のものかは、文春編集部はよく知り抜いてるはずでした。
知り抜いていて、あえて使ったとしか思えません。正気の沙汰か?と言う話ですよ。
「天下の文春」も地に落ちたものですな。
文春側の読みとしてはこうです。
甘利居直り→安倍擁護→支持率急落→自民党内部から反乱→予算案と引き換えに内閣総辞職→自民惨敗、というコースまで進めると読んでいたはずです。
しかし、安倍首相のほうが一枚も二枚も上手でした。
安倍首相は安直な擁護をせずに、「説明責任を果たしなさい」として突き放し、甘利氏はわずか1週間で第三者弁護士を入れた調査まで揃え、大臣の地位と引き換えに、秘書と告発者の関係を含め、すべてを表沙汰にしてしまいました。
民主党や共産党のような揚げ足を取ることしか脳のない野党や他のメディアはマンセー(バンザイ)を連呼しながら、文春の読後感想文みたいな追求をしていましたが、今や「任命責任」ていどしか攻撃材料がないようです。
文春と民主党が期待していた内閣支持率下落に至っては、安倍首相を死ぬほど嫌いな毎日新聞の調査でもこの調子です。恐らく朝日でも。と言ったところかな?
「毎日新聞は30、31両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は51%で、昨年12月の前回調査から8ポイント上昇した。支持率が5割を超えたのは2014年3月調査以来。不支持率は30%と前回より7ポイント低下した。」(2016年1月31日)
まぁ、見事な危機管理の手本のような対応です。
これで、政権側からボールを投げ返された「一色」と文春側はパニクったことでしょう。
一気に両者のブラックな関係の方が、注目を浴びるようになってしまったのですから。自業自得です。
しかし、こう絵解きをしてみても、「一色」が3年以内に出てくるという理由が分かりませんね。
ひょっとして、ありえるとすれば、功を焦った文春の新編集長が、「一色」との間にあった3年後に暴露という約束を一方的に破って掲載してしまったのでしょうか。
だとすれば、文春の新編集長ハン、アンタしくじったね(大爆笑)
あとベッキー関連で川谷の嫁の犯罪行為も問題視されそうで、文春はそのカタブを甘利関連と同様に荷担してしまったんですから。。。