
鬼才デビッド・クローネンバーグ監督が、「トワイライト」シリーズでブレイクしたロバート・パティンソンを主演に迎え、若き富豪がわずか24時間で破滅へと向かう姿を描いたサスペンススリラー。ニューヨークの青年投資家エリック・パッカーは、28歳にして巨万の富を築きあげ、金の動きに一喜一憂しながら、愛人たちとの快楽にふける毎日を送っていた。しかし、そんなエリックの背後に暗殺者の影がちらつきはじめ……。
ふらりと公開初日に見て来ました。
当日1時間半前くらいに購入した時点で半分は埋まっていましたが、満席御礼でした。
デイヴィッド・クローネンバーグの新作だという予備知識以外なにもない状態で見たら、戸惑いの連続で大変。
映画が始まってから元のことをしばらく元(もと)だと思ってて、何の元?原料的なサムシング…?と真剣に考えて、通貨単位の話になってからやっと元(げん)だと気づく私を笑ってくれていい。
映画は見てる間も見た後も感想は↓以下AAに尽きる。

コズモポリスは会話が観念的すぎて面白かったとかつまらないとか言える次元に達せるほど理解できていない。
観念というスポンジに理屈というクリームを挟み、観念的会話というバタークリームでごってり塗り固めたような映画だった。
以下ややネタバレ気味。
リムジンという現実から隔絶された世界で、現実のことを話題にしながらどこか乖離した会話を繰り広げる。
セキュリティのこと、流動する市場のこと、仕事のこと、愛のこと、音楽のこと。
いずれもひどく分かりづらい。

妻であるエリーズとの会話だけが異常に明快かつ直情的。
終盤まで要するに「セックスしたい(キリッ」しか言っていない気がする。
リムジンの中で繰り広げる会話は本当はエリックの脳内妄想で、それぞれの人物はエリックの頭のなかにしかいない壮大な妄想なんじゃないのか?と途中から思い出したり……。
床屋のおやじはびっくりするほど散髪がへたくそだし(カットされているのはロブの自毛なのか?)、暗殺者は殺す気あるの?と疑問に思う長丁場の会話だし。
夜中の妄想が暴走した映画だと言われても「そうなのね」と納得しかねない。
直腸検査されながら少しの笑いも許さぬシリアスな顔でシリアスなセリフを言い、妻との会話の中できわめてシリアスに深刻に、末期がんの申告のごとく「前立腺が非対称だ」をあれほどカッコつけて言う映画もそうあるまい。
ネズミが通貨単位とか恐怖は取り憑く云々より前立腺関係のセリフをくそまじめな顔でものすごくカッコつけて言ってて衝撃的。
マチュー・アマルリックがパイ投げに命をかける男としてちょろっと出てきて驚いた。
そのパイ投げ理論もものすごくカッコつけててこれまた衝撃的。
暗殺するかのようにとうとう語ってるけど、
「俺はお前にいつか焼きたてのクリーム・パイを投げつけてやるって決めてたんだ」。
……ちょっと何言ってるかわかんないです。
劇中で「車をプルーストさせた」というセリフの意味が全くわからず、劇中でもエリーズが「プルーストさせたってどういうこと?」と聞き返すけど、ソレに対する答えが「コルクを貼っているのさ」。
だから「プルーストさせたのプルーストとはなんぞや!!!」と謎だったものの、「失われた時を求めて」著者プルーストのエピソードなのね。
わっかんねえ!!www
参考)パリのカルナヴァレ博物館で、プルーストの世界を訪ねる。
>天井をコルクで覆って防音したという逸話が元になっている。
http://www.ilyfunet.com/ovni/special/2010/mars/672_spe03.html
ロバート・パティンソンはずっと白人版松潤だと思っていたが、今日から白人版染谷将太になった。
エリーズ役のサラ・ガドンの冷たい美貌がたまりません。














