考え事があるときは思考を文字に起こしてみる。これを整理だと言うのは間違いではないけれど、別に僕の意図はそこにはない。ただ思うことがあるから書く。書きたいから書く。整理と言う言葉が間違いでない理由に、僕が文章を綴るのは自分の失態を納める側面があるからだ。失態。失敗。自分の無様を記録する。僕は記憶力に乏しいから小学生は愚か、中学生の頃の思考すら覚えていない。なにをもって正義と悪をなし、どんな心境を持って動いていたのか。久しぶりに会った友人に違和感を生じるのは、友人が変わった可能性も十二分にあるのだけれど、自分が変化したのではという疑問も拭えないのだから。なにより、自分のことほど詳細に語れるものもない。感情の機微の一つ一つ。注意さえすれば容易に得られるものであるだろうし、また他人のそれは中々に得難い。得られない、と言ってもいい。人間の心理ほど面白いものはそうないと思う。作家を志す者として、得られるチャンスを潰すのは勿体ないどころの話ではない。だから綴る。思いたったとき。出来るだけ克明に。日記を幼少から毎日丁寧につけている人はいるだろうか。いや、丁寧でなくてもいい。文章だって支離滅裂なら支離滅裂で破綻した感情を読み取れるものだから。日記を幼少から死ぬ間際までつけたとしたら、それはもうとてもとても貴重な財産だ。偉業だ。僕は子を得ることが恐らく出来ないだろう（科学の飛躍ない限り）が、もしも子が出来たならば必ず毎日日記をつけさせるだろう。創作物は否応なしに作者の人格を反映させるものだけれど、文章はその傾向が色濃い。深層心理から基本的性格、現在の心境。あるゆる内面を映してしまう（くれる、とは言い難い）。ならば積み重ねた文章は最早作者の人生そのものであったと言っても過言ではない。人生は人格により発生する感情に左右され形成されるものである。どんなに有名な占い師や専門家の分析よりも、自分の文章がなにより真実に近い。近いというよりも、それそのものが真実なのだ。
僕がこうして非生産的な文章を衝動的に記して、後に後悔に見舞われようがそこに一つの本性を見てとれることは明らかだ。だからいいんだ。文字の力は絶大なのだ。変動ばかりの今時期なんて、壮年期頃に読み返したら大笑いに違いない。
うん。やっぱり文を綴るときの一人称は僕が落ち着くなあ。ブログでは丁寧ぶって私を使用しているけれど、どうにも内面からは遠すぎる。かといって俺は本質に近すぎる。だから僕が丁度良い。主観と客観の中間点。と言っても僕の文章は元々主観の先行する部分がある（と思っているだけか？）から、あまり意味はないのかも。
ひとしきり好き勝手書いたところで読書に戻りますよ。本はいいよ本は。○○の良さがわからないなんて人生の半分を損しているなんて言葉は大抵がオーバーだけれど、文字の面白味を知らない人は確実に人生の半分を損しているよ。まして日本人に生まれたならば尚更だ。日本語は素晴らしいね。あの繊細たるや、まるで人間そのものを表しているようじゃないか。
さてさて、また蛇足が過ぎました。このままじゃ締めが見えないから強制終了させましょう。みんな本を読もうぜ。文書こうぜ。