息子は1年生から特別支援学級に在籍している。


年長時の発達検査では、知的障害、情緒障害の診断はつかなかったが、通常学級だと板書が追いつかなかったり、色々な場面で援助が必要ということで特別支援学級の情緒障害のクラスに入った。


4年生になった今も、こだわりが強く、自分の思いが通らないと泣いたり怒ったりする。


お箸は補助箸で、衣類の着脱も一人で全てやりきるのが難しく、排泄も間に合わないことがある。


身体障害者手帳は2年生の時に5級を取得し、3年生の時に3級を取得した。


手帳を持つほどではないのかなと思いつつも、リハビリクリニックの先生に取得したい旨を伝え、診断書を作成してもらい、役所に提出した。


手帳が取得できると色々な場面で助かることがあり、早めに取得して良かった。


こういった障害者手帳取得についてなど、病院や学校からの情報があれば、必要な人に必要なタイミングで行き渡るのになと思う。


昨年(小学校3年生)の12月中旬、校長先生と教務主任の先生とで面談をした。


息子は身体障害以外の診断を受けていないため、再来年度からは特別支援学級に在籍できないとのことだった。


そこで、身体障害手帳を持っているのだから新たに肢体不自由特別支援級学級を開設してはどうかという提案だった。


「息子のために開設していただけるんですか?」


「はい、一人でも必要とする児童がいれば開設できますよ」


「そんな簡単にできるものなんですか?!」


「はい、できますよ!」


とても驚いた。


というのも息子が年長の時、隣の学校に肢体不自由特別支援学級が開設されることを知った。


学区の小学校には特別支援学級はあるものの、知的障害と自閉症・情緒障害の学級のみだったので、隣の学校に入学できないか問い合わせた。


しかし「急なことなのでまだ担任も決まっておらず、準備が間に合っていないので入学は断りたい」と言われたため、学区の小学校の特別支援学級に入ることにした。


この経緯があったため、新たに開設することは大変なことだと思っていた。


今の校長先生は去年からの配属で、現状をより良くするためにどんどん改革していくタイプの校長先生だ。


「ぜひお願いします!」


一気に胸が高ぶった。


実は勉強の進み具合で悩んでいた。


息子は知的障害の診断を受けていない。

そのため支援級に在籍しながらも通常学級への交流授業を積極的にしたかった。

しかし交流授業を受ける条件として“一人で通常学級の教室まで行って一人で特別支援学級の教室まで戻ってこれること”があった。


基本的に担任の先生の付き添いはなく、授業中も一人だ。


息子にとって一人で階段を使っての移動はハードルが高かった。


しかし肢体不自由特別支援学級が開設されれば、肢体不自由特別支援級学級の担任の先生も新たに配属される。


しかも介助アシスタントも一人付けられるという。


そうなれば、今のところ肢体不自由学級は息子一人のため、実質息子専属の大人が二人になるため、交流授業への移動の際に付き添いが可能になるのだ。


授業を一人で受けるというルールは変わらずあるが、一人で移動が難しい長男にとっては必要不可欠な援助である。


息子は理科や社会に興味を持っていたが、今までは国語と算数中心で、交流授業にも行けていなかったため、3年生まで理科と社会をほぼやってきていない。


教科書を一度も使わず数年が過ぎ、本当にこのままでいいのだろうかと考えるようになった。


自宅学習できればいいが、なかなかその時間を作れずにいた。


1年生〜3年生まで、名目上は知的障害と情緒障害とでクラス分けされていたが、登校から下校までみんな同じ教室で授業も一緒に行っていた。


そのため、3年生の2学期終了時点で国語も算数も2年生の上の教科書までしか進んでいなかった。


このままだと小学校卒業時に高学年の学習が全くできていない状態になる。


担任の先生とは何度も話し合ってきたが、「他の子と同じペースが良いと本人も言っているし、実際授業内容を完璧に理解しているとは言えないため、分からないまま進むよりきちんと理解しながら進めていった方が良い」とのことだった。

担任の先生が言うならばと、担任の先生の考えで進めていくことに承諾していた。


夫は「理解することは大事だけど、このままだと高学年の勉強に触れないまま卒業になってしまう。できるできないではなく、触れたかどうかがすごく大事だと思う」という考えだ。


私は担任の先生の意見も夫の意見もどちらとも長男のことを想っての意見だからどちらも正しいと思う。


今の息子を見るか、将来の息子を見るかで変わってくるから難しいのかもしれない。


そんな時、新しい校長先生が今の支援学級の体制は良くないと動いたのだ。


少し余談になるが、通級も必要だとすぐさま開設された。


また、昨年度までは8名だった支援級の児童数も今年度からは17名になり、クラスも2クラスから4クラスになった。


息子は今年度(4年生)から情緒クラスの子たちと同じ教室で過ごしている。


今までとちがう環境に戸惑ったり、通常級から転級してきた子との関わり方がうまくいかずトラブルになったりしているようだが、話し方や興味のあることが急に大人びて、息子なりに成長していると感じる。


年齢にしては幼い息子だが、理解や社会も学ぶようになり、学校で得てきた知識を嬉しそうに話してくれるようになった。


コミュニケーションの仕方も変わってきたことで、なんだか表情も変わった。


病気が着々と進行していく中でも、成長していく部分もあり、4年生まで元気でやってこられて良かったなぁと改めて思う。