はしかや百日咳など、感染症のニュースが多いですが、皆様はいかがお過ごしですか?
以前のように一日中マスクをつける方は減ったように感じますが、それでも長時間マスクを着用していることが多いのではないでしょうか。
でも、ふと気づくと… 「なんだか頭が重い…ズキズキする…」 「夕方になると、決まって頭痛がしてくる」 「耳の痛みだけじゃなく、頭全体が締め付けられる感じがする」
そんな経験はありませんか?
「気のせいかな?」「疲れているだけかな?」と思いがちですが、その頭痛、実はマスクによる自律神経のバランスの乱れが関係している可能性があるんです。
この記事は、特定の病気について解説するものではありません。
あくまで、日常生活で多くの方が感じている「マスクによる頭痛」と「自律神経」の関係性に焦点を当て、その原因と対策を分かりやすくお伝えするものです。
- なぜマスクで頭痛が起きやすくなるの?
- 自律神経とマスク頭痛の意外なつながり
- 今日からできる!マスク頭痛を和らげるセルフケア
などを詳しく解説していきます。
「マスクは手放せないけど、頭痛はつらい…」そう感じているあなたの悩みを、少しでも軽くするヒントが見つかるはずです。
マスク頭痛、なぜ起こる?考えられる主な原因
まず、なぜ長時間マスクをしていると頭痛が起きやすくなるのでしょうか。いくつか原因が考えられますが、自律神経に関わるポイントを中心に見ていきましょう。
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無意識の「浅い呼吸」: これが最大のポイントかもしれません。マスクで口や鼻が覆われていると、無意識のうちに呼吸が浅く、速くなりがちです。
普段、私たちは意識せずにゆったりとした腹式呼吸を行っていますが、マスクによるわずかな息苦しさや圧迫感が、胸式呼吸中心の浅い呼吸パターンを誘発してしまうのです。 -
酸素不足と二酸化炭素濃度の上昇(の可能性): 浅い呼吸が続くと、体内に取り込む酸素の量が普段より少なくなる可能性があります。
また、マスク内に吐いた息(二酸化炭素)がこもり、それを再び吸い込むことで、マスク内の二酸化炭素濃度がわずかに上昇することも考えられます。
急激な変化ではありませんが、長時間続くと、脳が「酸素不足」や「二酸化炭素の増加」を感知し、血管を拡張させて血流を増やそうとすることで、頭痛(特に血管拡張性のズキズキする痛み)を引き起こす一因となり得ます。 -
顔や首周りの筋肉の緊張: マスクの圧迫感や、息苦しさから無意識に顔周りの筋肉(特にあごやこめかみ)に力が入ったり、マスクの紐による耳への負担をかばおうとして首や肩の筋肉が緊張したりすることがあります。
この筋肉の緊張が、いわゆる「緊張型頭痛」(頭全体が締め付けられるような痛み)の原因となることがあります。 -
精神的なストレス・不快感: マスクによる圧迫感、息苦しさ、蒸れといった不快感そのものが、精神的なストレスとなります。
ストレスは交感神経を刺激し、血管の収縮や筋肉の緊張を引き起こし、頭痛を誘発・悪化させることがあります。
特に夏場の長時間着用には注意したいですね。 -
水分不足: マスクをしていると、こまめに水分補給をするのが億劫になりがちです。
体内の水分が不足すると、血液の粘度が高まり血行が悪くなったり、脳の機能に影響が出たりして、頭痛を引き起こすことがあります。
これらの要因が、単独または複合的に作用して、マスクによる頭痛を引き起こしていると考えられます。そして、これらの多くに「自律神経の働き」が深く関わっているのです。
マスク頭痛と自律神経の「見えない糸」
ここで、自律神経について簡単におさらいしましょう。
自律神経は、私たちの意思とは関係なく、呼吸、心拍、血圧、体温、消化などをコントロールしている神経です。活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」がバランスを取りながら働いています。
では、マスクと自律神経、そして頭痛は、どのように繋がっているのでしょうか?
ポイントは「呼吸」です。
前述の通り、マスク着用時は「浅い呼吸」になりがちです。
実は、この浅くて速い呼吸は、交感神経が優位な時(興奮・緊張・ストレス状態)の呼吸パターンなのです。
つまり、マスクによって無意識に浅い呼吸が続くと、体は「今、ストレス状況下にある!」と勘違いし、交感神経が優位な状態が続いてしまう可能性があります。
交感神経が優位になると、体には以下のような変化が起こります。
- 血管が収縮する(血流が悪くなる箇所も)
- 筋肉が緊張する(特に首や肩)
- 心拍数が上がる
- 血圧が上昇する
- 痛みを感じやすくなる
これらの変化が、頭痛を引き起こしたり、悪化させたりする要因となるのです。
「マスクの不快感 → 浅い呼吸 → 交感神経が優位に → 筋肉の緊張・血行不良 → 頭痛発生 → 頭痛によるストレス → さらに交感神経が優位に…」
このような悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。
マスク頭痛の背景には、単なる物理的な圧迫だけでなく、呼吸の変化を介した自律神経のバランスの乱れが隠れていることが多いのです。
マスク頭痛にサヨナラ!自律神経を整える簡単セルフケア
「でも、マスクは着けないわけにはいかないし…」 大丈夫です。
原因が分かれば、対策を立てることができます。
ここでは、自律神経のバランスを整え、マスク頭痛を予防・緩和するための具体的な方法をご紹介します。
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「意識的な深呼吸」を取り入れる: これが最も重要です! 浅くなった呼吸をリセットし、副交感神経を優位にする時間を作りましょう。
- マスクを外せるタイミングで: 人がいない屋外や、休憩時間など、安全な状況でマスクを一時的に外し、ゆっくりと深い呼吸を数回行います。
「鼻から4秒かけて息を吸い込み、口から6~8秒かけてゆっくり吐き出す」イメージです。お腹が膨らむのを意識する腹式呼吸が効果的です。 - マスクを着けたままでも: マスクをしていても、時々意識してゆっくりとした呼吸を心がけましょう。
息苦しさを感じたら、意識的に吐く時間を長くしてみてください。
- マスクを外せるタイミングで: 人がいない屋外や、休憩時間など、安全な状況でマスクを一時的に外し、ゆっくりと深い呼吸を数回行います。
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自分に合ったマスクを選ぶ:
- 通気性の良い素材: 可能であれば、不織布の中でも比較的通気性の良いものや、布マスクなどを試してみましょう(ただし、感染対策の観点も考慮してください)。
- 快適なフィット感: 顔にフィットしつつも、締め付けすぎないサイズを選びましょう。
耳が痛くなりにくい幅広の紐や、アジャスター付きのものもおすすめです。 - 立体構造: 口元に空間ができる立体タイプのマスクは、呼吸がしやすいと感じる人もいます。
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こまめな水分補給を忘れずに: 意識して、こまめに水分(水やお茶など、糖分の少ないもの)を摂るようにしましょう。
デスクにボトルを置いておくなど、目につくようにすると忘れにくいです。 -
首・肩周りのストレッチ&リラックス: 長時間同じ姿勢でいることが多い方は特に、合間に簡単なストレッチを取り入れましょう。
- 首のストレッチ: ゆっくり首を左右に倒す、前後左右に回す(痛みがない範囲で)。
- 肩のストレッチ: 肩をゆっくり上げ下げする、肩を前回し・後ろ回しする。
- 顔の筋肉を緩める: 意識的に眉間のしわを伸ばしたり、口を大きく開け閉めしたり、顎の力を抜いたりする。
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休憩時間にリフレッシュ: 可能であれば、数時間に一度はマスクを外して休憩し、新鮮な空気を吸いましょう。
窓を開けて換気するだけでも気分転換になります。軽い散歩や、好きな音楽を聴くなどもリラックスに繋がります。 -
体を温める: 血行が悪くなると頭痛が起きやすくなります。首元や肩周りを冷やさないようにしたり、温かい飲み物を飲んだり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったりして、血行を促進しましょう。
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質の高い睡眠を心がける: 睡眠不足は自律神経の乱れの大敵です。
寝る前のスマホ操作を控える、寝室の環境を整えるなど、質の高い睡眠をとることも、頭痛の予防・改善に繋がります。
注意:こんな頭痛は医療機関へ
この記事で紹介したのは、主にマスク着用に伴う一過性の頭痛や、自律神経の乱れが関与する可能性のある頭痛への対策です。
しかし、以下のような場合は、他の病気が隠れている可能性もありますので、自己判断せず、かかりつけ医や脳神経内科、頭痛外来などを受診してください。
- 突然、今まで経験したことのないような激しい頭痛が起きた
- 頭痛の頻度が増している、痛みがどんどん強くなっている
- 手足のしびれ、麻痺、ろれつが回らない、高熱、嘔吐などを伴う頭痛
- 市販の鎮痛薬を飲んでも全く効果がない、または以前より効かなくなってきた
まとめ:呼吸を意識して、マスク生活を快適に
マスクによる頭痛は、単なる不快感だけでなく、浅い呼吸から始まる自律神経の乱れが関係している可能性があります。
「マスクだから仕方ない」と諦める前に、ぜひ「呼吸」に意識を向けてみてください。
意識的な深い呼吸、こまめな水分補給、首や肩のストレッチ。
今日からできる小さな工夫が、つらいマスク頭痛を和らげ、自律神経のバランスを整える手助けとなります。
もちろん、無理は禁物です。ご自身の体調に合わせて、できることから試してみてくださいね。
マスクと上手に付き合いながら、少しでも快適な毎日を送れるよう、心から応援しています。