先日、某社で下記のようなケースがありました。
Aという技術とBという技術のどちらに投資するかという意思決定が必要なケースで、役員にAの有用性を説得するための資料を様々な部門と共同で作成していました。。当然、標準化の動向、競合他社の動向、顧客へのメリットの度合い等様々な要因を検討する必要はありますが、それらの動向を踏まえた上で最終的にどちらの技術が利益をもたらすのか、
つまりAという技術に投資を行うROIとBという技術に投資を行うROIのどちらが大きいのかということを現在価値に割り引いて考えなければならないケースです。
Aという技術はすぐに投入できて、そこから様々な売上げをもたらすが、将来的にはBという技術がデファクトスタンダードになる可能性が高いので、Bにもどこかの時点で投資しなければいけない場合、Aを早期に実施することで得る利益と将来的にBに投資しなければならないコスト等の比較が重要になります。
しかし、某社の社員は投資収益の比較もせずに、「とりあえず、どちらがスタンダードになるか見極める必要があるため、現時点では様子見」という判断を下しました。
客観的な理由なしに、見極める必要があるという曖昧な基準(どのような基準をもって見極めるのかがはっきりしない)で本投資案件の決断を役員にゆだね役員も上記理由で投資しないとの決断をしました。
たとえ、Aがスタンダードをとれなかったとしても、例えば100億もうければ、Bへの移行コストに50億かかったとしても、Aに現時点では参入すべきにもかかわらず。
このあたり、しっかりと科学的に議論している企業ってどれほどあるんでしょうかね。