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遠くで笑い声が聞こえた
よく知る笑い声
だけど滅多に聞けない
笑い声
特別な
笑い声...,
買ったばかりの一眼レフを
こんな形で使うなんて思いもしなかった
楽しげなその音珠に
思わずシャッターを切る
「いいじゃん...」
遠目に見ても
柔らかな雰囲気が伝わる
クソ熱かった季節は
いつの間にか
もの恋しい季節へと
移ろいで行く
もの恋しい....か (笑)
なんでも持っているようで
実は手にできないものもある
俺も例外じゃない
撮ったばかりの写真に映る
それを眺めながら
ゆっくり視線を移すと
「あっ....../////」
夕焼け空に重なるシルエット
ほんの一瞬の出来事に
何故か高鳴る俺の心臓
.....ったく、
少しは周りを気にしろって
さっきよりも少しだけ
距離が近くなった2人を再び
ファインダー越しに除くと
俺に気づいた2人が
満面の笑みで手を振っていた
シャンパンの入った袋を高く掲げると
歓喜の声を上げる
でもそれは...
俺らといる時と同じ声
「あぁ〜ァ、戻っちゃった」
一眼レフを構え
さっき見た光景をもう一度思い出す
俺の中にだけ存在する
究極のフォルダーに
新しい1枚が追加された
俺の大切な宝物として