もしも
この世に神がいるのならば・・・
雑誌の取材で訪れた教会
光の十字架が俺の心を捉えて
離さずにいた
声をかけられるまで
ずっとその光りを見つめていた
貴方を思いながら
・・・永遠はない
それは常に頭の片隅にはあった
だがそれは
まだもう少し先の話だと勝手に思っていた
元々口数は多くなく
それでも何かを考えこんでいるように
感じたことは幾度かあった
人知れず抱え込むことが多い人だから
貴方が言葉にするまでは
変に詮索することをやめていた
普段通り変わることなく
俺たちと過ごしてきた日々の中で
貴方は一人
心の中で叫び続けていたのだろうか?
あの日のことを俺は多分きっと忘れないだろう
忘れてはいけないんだと思っている
自分への戒め・・・として
こんなに近くにいて気づけなかった
自分自身に腹が立つ
そして一人で決めてしまった貴方にも
少しだけ腹が立つ(苦笑)
感性で生きる人間には窮屈な場所
それはずいぶん前から感じていたこと
だけど、
・・・ 手放したくなかった。
ずっと手の届くところにいて欲しかった
それは俺のエゴと知りつつも・・・
貴方はそんな俺を、
俺たちを「優しい」と言う
そう感じてくれているのなら
そうなのだろう
でも、そうさせたのは間違い無く
貴方だ。
貴方の存在が俺たちをそうさせる。
自然に微笑み合うような柔らかな空間
それがあるから・・・
ずっと見てきた背中は
小さくなることなんて無かった
一度たりとも。
いつかその背に
羽が生えてしまわないようにと
願っていたんだ
貴方の真っ直ぐな瞳は揺らぐことなく
未来を見据えている
そんなあなたを引き留めることなど
誰ができる?
貴方が頑固なのはよく知っている
そう出来ない事もすぐに理解した
ならば、俺にできることは何だろう?
そう考えたら1つしか思いつかなかった
この場所をなくさない事
貴方がいたこの場所を・・・
大切に守っていく
いつか、再び隣に立つその時が来るまで
大切に・・・
あぁ、もしも
この世に神がいるのならば
ありったけの祈りを捧げたい
貴方の前途が
眩い光で溢れているようにと
遠い目をした貴方の横顔が
今も俺の心に刻み込まれている
Sho
