このところ、ほぼ毎日授業が終わると

大野さんの居た研究室に

出かけている翔ちゃん

 

 

 

 

 

 

 

翔ちゃんの

イライラの原因の元・・・

 

 

もうさ、自分の気持ちの変化に

いい加減気が付いているんだろって

思ったら、案外鈍感で驚いた・・・

 

まぁ、そうじゃなかったら

とっくに、俺の気持ちにも

気づいていただろうから

ここまで一緒にいられたことに

感謝するべきなんだろうね

 

第一、告るまで眼中になかったって

普通に凹むから

 

・・・・翔ちゃんらしいよ

そんなところも含めて

好きだったんだろうな、俺。

 

 

 

 

 

知っての通り、俺って

素直じゃないからさ、

そんな俺なりの贈り物っていうのを

考えてるんだ

やっぱり、嬉しそうな顔、、、見たいじゃん?

 

その後は、翔ちゃん次第ってことで

楽しみにしててよ。

 

 

今の俺には、

翔ちゃん以外に気を許せる

・・・・友達、がさ

出来たみたいなんだよね

 

珍しいでしょ?

進歩したって喜んでよ

ほぼ引きこもりみたいな生活してたんだから。

 

面倒くさい奴らだけど、

一緒に笑えるってすごいよね

 

 

 

 

 

大野さんに『翔ちゃんが好きだ』って

聞かされたときから

結果はわかってた。

 

大野さんってさ・・・

少しでも興味が沸けば

誰でも受け入れちゃうくせに

絶対に一歩内側には入れさせない

どこか謎めいて妙に気になる存在は

男女問わず虜にする。

本人が無自覚じゃ余計始末に負えない

 

そんな大野さんの口から

翔ちゃんの名前が出るなんて

最初聞いた時は驚いた

 

 

『櫻井翔と知り合いなんでしょ?

今度のBBQに誘ってもらえないかな?』

 

 

キラキラした綺麗な瞳だった

そんな瞳で真っ直ぐに見つめられたら

断れないじゃん?

 

 

でもすぐその後にモヤッとした気持ちが

胸いっぱいに広がっていくのがわかって

あぁ、俺もか、って思ったんだ。

 

 

取られる!

 

 

俺のものでもないのにそう思うほど

きっと翔ちゃんはこの人を

好きになるって、直感しちゃった

 

 

 

そんな直感ばっか当たるんだよね

いらない能力。

 

 

 

 

 

翔ちゃん、奇跡って

案外近くにあるもんなのかもしれないね

 

割りと近くにさ。