珍しく静かな朝

けたたましく鳴り響く目覚ましの音が

今日は聞こえてこない

 

 

 

さては、消したか?

 

 

起きられないのに

数時間前にセットするって

どうかと思うんだけど

それも翔くんらしくていいかなって

最近思うようになった(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・サトシ、」

 

 

 

「ん?」

 

 

「ナニガ、タノシイノダ?」

 

 

「あぁ、ふふっ、楽しいとうか・・・」

 

 

 

 

 

潤はこのところ纏う気が柔らかく

今までにない輝きを発するようになった

心の迷いが消えつつあると言うことか・・・

 

 

そろそろかな・・・

 

 

そう思うと少し寂しいと感じてしまうのは

長く時間を過ごしてしまったせいでもあるのだが

どこかでこのまま一緒にいられたらいい

と、思っていることも事実で

そしてそれは決して言葉には出来ない

決して・・・

 

 

 

フワッと目の前の影が

俺の頭を撫でた・・・

 

 

潤・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・シンパイスルナ、

トキガクレバ  ワカル」

 

 

潤....

 

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

慰めてくれているのか,

 フフッ

 

 

 

 

清らかな風が舞う

この部屋にも心にも・・・

 

 そして、潤にも。

 

 

 

 

 

 

 

時計を見ると

もうすぐ翔くんの起きる時間

もとい、起こす時間(笑)

読みかけの本を閉じ

翔くんの匂いのするドアの前で一呼吸する

それに合わせて潤の気配も消える

律儀なことで・・・(笑)

 

 

ノックをしてドアノブに手を掛ける

返事はない・・・

これもいつもの事(苦笑)

 

 

 

「翔くん、入るよ~」

 

 

 

枕に足を投げ出し

大の字で眠っている翔くん

今日は一段と寝相が悪い(苦笑)

どうやったら

こんな風に寝返りが打てるのか

いつも不思議に思う

 

 

「翔く~ん、朝だよ、起きて~」

 

 

ポンポンと布団の上から翔くんを叩くと

手のひらから何かが落ちてきた

 

 

 

 

「・・・ん?」

 

 

拾い上げて見ると、

木でできた洗濯ばさみが一つ

よく見ればなんだか人のような

・・・・画が描いてある?

洗濯ばさみを広げて裏表を返してみると

 

 

「あっ、」

 

 

思わず出たその声に翔君が反応する

 

「ん~~~ん、」

 

 

 

もそもそと動き出した翔くん

俺の手の中には

翔くんの洗濯ばさみ

 

 

これの意味を

俺はどう取ったらいいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は俺にとって特別の日・・・

一番に欲しいものは決まっている

 

でも・・・中々手ごわくて

一向に手に入らない

言葉では伝えられないならば

行動で補うべし

 

って、翔くんと一緒にいて

学んだことだよ

 

 

 

 

おっ?

そろそろ起きるかな?

 

ぴくぴく動く鼻と

どんな夢を見ているのやら

ニヤけたその口元にふっと息を掛ける

 

 

「ムニャ・ンン・・・ンゴォ~」

 

 

いびき・・・・って

まだ寝るのか?

 

 

 

「・・・人の気も知らないで、

呑気なものだ」

 

 

 

カーテンを開けると

眩しい光が翔くんの茶色い髪の毛を

より一層明るく照らしだす

イケメンなのに

だらしのない寝相.・・・(苦笑)

 

そんな翔くんと

また一つ新しい歳を重ねられて

嬉しいと思える自分が

なんだか可愛く思えてきた(苦笑)

 

 

 

 

「・・・。」

 

 

 

先にもらっておくよ

 

最高のプレゼント・・・・・・

 

 

 

 

ポカっと開いた口を閉じて

そっと唇を寄せた

 

 

 

「ん?・・・ふふ(笑)」

 

 

 

今年も手にできそうにない

君からの招待状が

半分枕の下から顔をのぞかせていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おめでとう、大野さん!

素敵な一年でありますように!

翔くん大野さんをよろしく〜!