次の日からカズの様子が変わった

何がってわけじゃないのだが

いつもと違っている、そう感じた

 

金髪と何かあったのだろうか?

同じようにマサキも何かを感じ取っている様子で

いつもより笑えていない

 

 

カズの目が充血している

ゲームを一晩中やった後より酷い

 

 

「・・・カズ、昨日は、」

 

 

そこまで言いかけたところで

何も聞くなと言わんばかりに横目でけん制された

長い付き合いだ、この目の時は何を聞いても

答えない、あきらめて席を立とうとしたとき

 

隣からいつもより少し低めの声が

 

「昨日、何話したの?二人で」

 

まさにド直球を投げつけた

 

 

 

「マー君には関係ない、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以外にもマサキの問いに答えるカズ

 

「ふ~ん、じゃぁさ、翔ちゃんには関係あるんでしょ?」

 

へ?

 

「・・・・・・・・・。」

 

「やっぱり、関係あるんだ、何を言われたの?」

 

はっ?

 

「・・・・・・る・・い」

 

 

「宣戦布告されたんだ、やっと。」

 

 

おい?

話が全く見えないぞ?

何の話をしているんだ二人は?

 

「…うるさいって、言ってんだろ!」

 

普段感情を表に出さないカズの声が

響き渡ると一瞬の静寂が俺らの周りに

重たい空気の幕をつくる

 

 

「バカに話すことなんてないから!」

 

 

カズがそう言い捨てて

教室を出て行ってしまった

 

「ちょっ、なに?マサキ・・どうした?」

 

 

クフフ

 

そう笑って俺の顔を見たマサキが

笑いながら泣いている

実際は涙なんて流してはいない

だけどそう見えたんだ

 

「翔ちゃんは、意地っ張りでおまけに超鈍感!」

 

 

またひとつ俺の形容動詞が増えたようで何より

って、おい!!

 

「それどういう意味?なんでカズは怒ってるの」

 

「・・・翔ちゃん、

ずっとカズと一緒の時間過ごしてきてんでしょう?」

 

幼馴染だからな、ずっと一緒に育ったようなもんだ

だがそれと何が関係ある?

 

「そうだけど、」

 

「カズ、誰を見てたと思う?」

 

「誰?・・・誰って」

 

わからない、

マサキの言っている意味がわかんない

えっ?

宣戦布告ってそもそも何と戦うの?

なんでカズに金髪が布告するの?

まさか、潤??

 

「潤?って人は関係ある?」

 

そう答えたら

一瞬ムッとして

そうじゃない!!!

と、意味もなくマサキに怒られた

そいつはどちらかと言えばマサキの方に

関係してくるらしい

潤と、名前を出した途端

鼻息が荒くなる

 

 

 

カズの友関係は

ざっくりとは把握していたつもりだが

インドア派のカズはそれこそ外に出ることが少ない

そんな中で、誘われたBBQは今からすれば

珍しいことだったんだと改めてづいた

 

理由があったんだろうな・・・

きっと

 

落ち着いたころ聞いてみよう

それまでは、マサキに大人しく

怒られていよう・・・何だかわからないが

無視も出来ないからなぁ

 

平凡な日々が嘘のように騒がしくなった

今年の夏は・・・

きっといろいろな意味で

忘れがたい季節になるような予感がした