その人は音を操る
その人から発せられるすべての音を
音楽といふ

意志を持ち、語り掛け、
身体にしみこんでくる
違和感なく、ごく自然に、
ごく当たり前に
まるで記憶していたかのように
懐かしく、温かく、穏やかに
邪魔せず寄り添い
ただ音を感じるがままに
無心に音を操る
その人の身体を通して
奏でられる音色は
本来あるべき形
奏でる音色そのもの
その人の周りには音色が見える
音と戯れ、音を慈しみ、音とともに
心を開放していく様は
まるで
天に舞う羽衣
アマツ風に舞う
・・・羽衣
柔らかい微笑みとともに
奏楽に向かい伸ばした指先から
珠の音色が沸き起こる
その人は音を操る
その人から発せられる音を
音楽といふ
※「untitled」を観て、感じた事。