「で、いったいどうやって関心ひいたの?」

 

やみ雲に切り出してくる

このイカツイ奴は・・・

金髪の懇意にしている先輩らしい

 

第一印象はすこぶる悪く

それが顔に出ているのか

不穏な空気が漂う

 

 

そんな俺等にまったく動じず

コーヒーを入れている金髪

インスタント?のわりに

いい香り・・・・

 

 

無言で俺等の前にコップを置く

 

 

 

 

 

俺には真っ赤なカップに、

ははっ、おまけつき(喜)

 

イカツイ奴には黒いカップ

で・・・おまけは、何もない(笑)

 

なんか・・・わかる気がする

ふふっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、それ。その顔が気に入らない!」

 

 

 

 

またもや訳の分からない

言いがかりをつけるイカツイ奴

俺が答えるのを待っている様子

だが・・・まったくもって

回答する気はない

 

 

なぜなら、関心を引くなどという

行為はしたこともないから

そもそも、知り合ってまもないわけで

それこそ、その質問の意味を逆に聞いてみたい。

 

 

 

カップを手に取り香りととも口をつける。

 

 

 

「うんまい!なにこれ?」

 

 

入れ立てだからなのか、豆の種類なのか

わからないけれど、甘くもなく苦くもなく

まろやかな旨み。

 

 

隣でギャァギャァと

騒ぎ立てているイカツイ奴は

オマケがついてないことが心外とばかり

食ってかかっている。

 

 

そんな雑音をさておき金髪のコーヒーに

ハマりそうな俺がいた。

それに・・・

特別感ってなかなかいい気分になる

 

 

 

初めて入り込んだ

金髪のテリトリー

 

 

 

言葉少なく、かといって

暗いわけでもなく

独特の雰囲気はきっと・・・

俺以外も感じていることなのだろう

 

 

まだ小うるさく騒ぐイカツイ奴をしり目に

黙々と作業をする姿は学生というより

アーティスト・・・

年季の入った職人のように

様になっている

 

 

金髪の研究室は

そこかしこに画材道具が散らばっていて

いったい・・・なんの研究をしているのか

無性に気になりだした

 

 

とくに話すわけでもなく

作業をしている音を聞きながら

ウトウトし始めた

ある初夏のひと時・・・・

 

 

クスっと遠くで笑う声が聞えた気がした。