金髪が気だるそうに項を触り
眉間にしわを寄せながら
大きく伸びをする
肩に引っかかっている布が落ち
あらわになった肌には
無数の赤い跡・・・
こうして目の当たりにすると
やはり・・・俺が???
どうしても思い出せない
そんな・・・もったいない事
あ、いや大事なことをだ!
「あ・・・・・・」
ムスッとした表情のまま
一瞬俺を睨みつけると
今度はゆっくり
視線を落とし体についた
赤い跡を指で一つ一つ撫でていく
その行動に再び俺は魅入っていた
なんて・・・艶めかしいのだ?
男に艶めかしいって
なんだ俺???
金髪は左の胸の上のひと際大きな跡を
撫でながら視線を俺に戻すと
思いがけない言葉を発した・・・
「・・・・翔くんって、いつもこうなの?」
はっ?
「酔っぱらうと、いつもこうやって誰にでも
するのかって聞いてるの」
へっ?
「・・・・まさか、覚えてないの?」
うっ!
金髪がひとつ大きく息を吐くと
素っ裸のまま俺に向かって歩いてきた
自然と後ずさりする俺に向かって
なおも近づいてくる・・・
目のやり場に困りながら
逃げ場のなくなった俺は
壁に張り付くように身動き一つできないまま
近づく左胸の赤い跡を目で追っていた・・・・
