「はぁぁぁぁ~~~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・。

 

今日はこれで何十回めのため息だ?

見ているこっちまで気が滅入る

 

どうせ・・・あれだろ?

誘いたいのに誘えないって下り

まさに、ヘタレの象徴だよ。

 

 

いったいこいつのどこがいいの?

って聞いたところで当のあの人は

とびっきりの微笑みで雲にまくんだろうけどさ

 

 

あれは・・・いけない

仮に俺に妖術が使えたとしても

あの人の前では

つい、傅いてしまう

存在自体が妖以上だからな

 

 

「はぁぁああああああああ~~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・。ブチッむかっ

 

 

なんでこんな奴の式になんかなってるんだ?

だいたい、こいつが俺に名前なんて付けるからむかっ

 

・・・・・どうせなら

あの人の式になりたかったのに

チェッ・・・

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに部屋のドアが開く

空気が変わりあの人の香りに包まれる

一瞬で変わる気の浄化

 

常にこいつを気にかけているのが

俺にでもわかる

 

それすら伝わらないほどの鈍感なかわいそうなやつ

すがるような目で見るな、女々しい

何やら二人でボソボソと話しているが

何のことやらちっともわからない

 

ただ、赤くなったり青くなったり

ころころ変わるあいつの顔が面白くて

その顔をみて満面の笑みで見つめる

あの人の瞳がきれいで・・・・・

 

つい魅入っていた

 

 

 

 

「・・・・・おい」

 

 

 

「なに?」

 

 

「・・・・キエロ」

 

 

「はっ?」

 

 

「・・・・・イクゾ」

 

 

あっ、・・・・。

 

 

式にまで気を遣わせるこいつって・・・・

なんなんだよ!!!

 

 

俺は絶対にこいつが主だって認めない!

認めないからな!

 

この・・・・ヘタレ!!!

 

 

 

消える瞬間

二人の顔が重なるのが見えた

少しだけ胸の奥がキュンとしたのは

聖夜のいたずらか・・・それとも

 

 

 

 

隣で潤がニヤリと笑う

 

 

・・・・・・・。

 

 

ダァ~~~、どいつもこいつも

 

面白くない!!!

 

 

俺は、絶対に認めないからな!!!!