「聞こえてなかった?それとも・・」
頭の上の声は語尾が尻つぼみで
それでも・・・
俺の次の言葉を待っている
挑戦状は形を変えて
俺のもとに戻ってきた
受けるかどうか
今度は俺が試されてる?
そう思ったら・・・
なんだか
無性に腹が立ってきた
足元のリンゴを拾い上げ
「やってくれるじゃん・・・」
あいつを見つめてそう答えてやった
見る間に自信に満ちていく
イケメン・・・・・
つくづく単純にできているらしい(笑)
「まぁね、で、挑戦受ける気ある?」
「一生・・・・
挑戦し続けていいってことだろ?」
「もちろんそのつもりだけど」
少し照れ臭そうに鼻を搔くしぐさ
ふふふっ
緊張しているときの癖
「いいよ、受けて立つ」
リンゴを一口かじり
あいつの目の前に差し出す
それを受け取ると
クルリと回して
俺がかじったところを
同じ様にかじる
シャリシャリと
リンゴの果肉の砕ける音
アダムとイヴ
禁断の果実を
口にしたときから
始まる交わり
誓
蜜ののったリンゴは
甘美
見上げればとりけそうな
俺の大好きな笑顔がある
挑戦状は
リンゴに変わり
リンゴはそのあと
ringに変わった
あいつ
キザなところも
変わんない
今夜は・・・
ステーキと
焼きリンゴと
それから
シャンパンも追加だな・・・
後、デザートな(笑)




