あいつに、たたきつけた
『挑戦状』
ここに来たってことは
受けて立ったってことで
間違いはないはずなんだが
何も言ってこないところを見ると
やっぱり・・・・・
なのか?って思う
まぁ・・・・期待はしていなかったから
このままでも十分
「欲」は留まることを知らない
人間ならではのものだからな
気長に待つさ・・・・(苦笑)
今日は、あいつが買い出し当番
何を買ってくるかは
あいつの腹次第・・・
すきっ腹で行かせたから
きっと大きな袋を抱えて
帰ってくるんだろうな
今夜は・・・ステーキかな(笑)
ただいま!!
ふふふっ、大きい(笑)
「お帰り・・・遅かったな」
「まぁね、ちょっと寄り道してきたから」
「よりみち?」
「そう、寄り道(笑)」
袋からリンゴを一つ取り出すと
ポイっと投げた
宙を舞うリンゴ
なぜだか
ゆっくり落ちてくるように感じた
あいつが・・・思いもかけないことを
口走ったから・・・
「あの挑戦状・・・・この国じゃ意味がないからさ」
えっ??
「だから俺、新しい挑戦状用意したから!」
はっ?
「・・・・・・・・・マジ?」
そう聞くのが精いっぱいだった
訳の分からない感情が
後からあとから湧いてきて
さっきまで思いめぐらしてきたことが
全部すっ飛んでって
やっぱり、あいつは
わけわかんない奴で
俺の想像をはるかに超えていく
「聞いてる?言っている意味わかるよね(笑)?」
そう言って
豪快に笑う顔が眩しくて
・・・・・イケメンになるから
鼻の奥がツンツンして
目から鼻水が垂れたしまった
いつだって・・・突然なんだ
頭の上で心配そうな声に変わる
あいつを見ることができなくて
足元に転がるリンゴを
眺めていた・・・・・





