#pathetic song(哀愁)

 

 

 

 

 

あの人が部屋のなかに消えていくのを

じっと見ていた

 

 

 

 

 

 

 

ドアの前で息を殺し

中の様子を馬鹿みたいに伺って

聞こえるはずもない二人の会話を

必死に聞こうとしている間抜けな俺

 

 

2人して・・・自分のいないところで

朝を迎えるのか・・・

 

 

そう思ったら、身体が勝手にここへ向かっていた

 

2人を合わせて壊れてしまえばいい

壊れたどちらかが

自分のものになればいい

 

その行く末を見るために・・・・

この計画を実行したのに

 

浅はかな考え・・・・

矛盾した心・・・・・・

もう・・・俺もギリギリだったのかも

しれない・・・・

 

いっそ手に入らないのなら

2人して・・・・

壊れてしまえばいい・・・・・

 

 

 

 

 

どのくらいそうしていたのだろう

壁に寄りかかった腕がしびれる

 

気が付けばじきに夜が明ける時間

2人は・・・・まだ中にいる

 

 

 

俺の身体に花開く赤い跡は

2人の想いの証

俺が存在する証

 

2人の些細な嘘が俺を巻き込む

だが・・・・俺には好都合だった

 

 

独りじゃないと生きていけない人間って

いるんだよ・・・

 

温もりが近くにあっても

心まで温まらない人間って

いるんだよ・・・

 

自分しか信じられない人間って

いるんだよ・・・

 

そんな人間も

こうして存在するってことを

初めに伝えればよかったかな

 

寂しいときにだけ側にいられたらいい

 

ずっとほしかったわけじゃない

 

だから・・・返すよ

 

 

 

 

もし、元に戻れたらの話だけど

 

その時は・・・・最後にもう一度

 

あんたら二人に負けないくらいの

 

 

ウソ・・・・・・つくから

 

 

 

 

 

 

あぁ・・・・・夜が明ける