#nostalgia(郷愁)

 

 

初めて一人の夜を迎える

 

 

 

 

 

 

誰かしら隣にいないと

 

安心して眠れない性分の自分に

 

降ってわいたような

 

あの人からの告白・・・・・・

 

当然

 

俺に向けてのものではなかったが

 

それでも、一番近くにいられるのなら

 

喜んでその条件を受け入れた

 

 

 

 

 

あの人は気づいていない

 

俺への告白は

 

俺を越えて

 

その後ろに見えている

 

本当に欲しいと思うただ一人の

 

人へ向けられていることを

 

 

そして、また、その人も

 

気づいていない

 

 

 

あの人が何を待ち望んでいるのかを

 

 

心に俺がいない

 

あなたとのセックスは

 

それでも・・・・最高に気持ちよくて

 

抱かれるたびに

 

あなたが好きなんだって

 

再確認さられるんだ

 

 

 

肌の感触も、唇の温度も

 

汗の味も

 

首筋の匂いも、吐息の甘さも

 

髪の柔らかさも

 

指先の冷たさも・・・・・・

 

 

すべてが俺の欲しくて

 

ずっとほしくて・・・・・

 

求めてやまないもの

 

 

瞼の裏に焼き付いて

 

消えないモノ

 

 

 

 

 

 

 

ずっと昔から知っていたような

 

どこか懐かしい感情を

 

あなたとなら思い返せる気がしていた

 

 

 

俺じゃ…あなたを幸せにはできない?

 

 

俺なら、

 

あなたを悲しませるようなことは

 

絶対にさせない

 

 

 

 

 

 

時計の針が重なる

 

 

同時に着信を知らせる光が点滅する

 

 

 

「・・・・・・今どこ」

 

 

電話の向こうの声に

 

 

耳の奥が熱くなった・・・