#bravado(強がり)
嘘つき・・・だ
アンタらは大嘘つき
「・・・・・・・今日はいつもより匂いが強い」
「えぇ、じっくり抱かれてきましたから」
「シャワー・・・浴びてきたの?」
「・・・・・御冗談を、たっぷり残してきてますから」
「そう・・か、俺が、きれいにしてあげるから」
そうやって偽りの愛を紡ぐんだ
だけどそれはおれが望んだこと
誰に頼まれたわけでもなく
俺がそうしたかった
この人の愛した人に抱かれて
この人を愛した人の残り香届ける
俺の一番昂ぶる瞬間
「いい匂いだ・・・綺麗に花が咲いている」
首筋に胸元に脇腹に内腿に
臀部に膝裏に
すべてに咲いた花
その一つ一つに口づける
愛おしそうに
優しく激しく包むように
間接的な愛を
俺はこうして体験してわかった
幸せのカタチは一つじゃないってことを
二人に何があったかなんて知らない
知る必要もない
自分が一番可愛いと思う俺は
俺のやりたいようにやる
この関係もどちらかが終わりにした時点で
無くなる
そうさせないように
最善のことをする
危ういあの人と
したたかなこの人を
両方楽しめるなんて
最高に贅沢で
最高に愉快じゃない
壊れていく様を特等席で見られるんだ
あの人とは違う愛撫が続く
俺の後ろに見え隠れする
見えない相手に欲情する様が
何よりのご馳走なのさ
「今夜はおしゃべりだな・・・」
「あっ、・・・声に・・ぁ・・でてまし・・た?」
「・・・・・いや、愉しそうだと、思って」
「・・んあぁ・・・きっつ・・・・クッッ」
俺を揺さぶりながら
遠くを見つめて欲を吐きだす
その存在は常に傍にあるというのに
一度ついた嘘を取り返せないでいる
哀れな二人
どこまでもついて行くよ
堕ちるところまで落ちるといい
最後まで見届けてあげるから
薄れいく意識の中で
あの人の名前を呼ぶ声がした
同じなんだよ・・・・
アンタら二人して
大噓つきなんだ
つかの間幸せが俺にはよく似合ってる
たとえそれが偽りの愛だとしても
俺も嘘つきだ・・・(苦笑)
You are call somebody a liar・・・・