・・・・・・・・・・・・。

もうすぐ・・・・クリスマスも終わってしまう

一緒に飾りつけをした後に

 

思い切って・・・・部屋の前まで行ったはいいが

何と誘えばいいのか・・・・・

あれこれ考え始めたら気分が萎えて・・・

結局・・・・すごすご戻ってきてしまった

 

戻れば、うすら笑うこの小うるさい式に散々馬鹿にされ

挙句の果てに智くんの式まで加わって

どん底に突き落とされる始末

 

俺のヘタレは今に始まったことじゃない、が、しかし!

行くときは行く!覚悟をもって挑むのに

いざ・・・・・その時になると身体が動かない。

何か見えない結界でも張られているかの如く

それ以上先に進めないのだ

 

・・・・・・・・・・・・。

 

こんな俺って、やっぱり物足りないなんて思われていたり

するのだろうか???

 

「・・・・・・ショウへたれ、つまらない男、ケケケッ」

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

最近になって妙にはっきりと言葉を話すようになってきた

こいつ、顔まで変わってきてる

こんな顔してたか?と思うほど・・・・

口が悪いのは変わらないが、犬///みたいに

人懐っこい顔をする時がある

まぁ、、、可愛いいんだよ。それが

 

 

「・・・・・イイノカ?ジカンガナクナルゾ」

 

 

 

智くんの式はイケメンで

綺麗すぎる目鼻立ちが今日は一段とひき立っている

式の力と主は比例していると聞いたことがあるが

今宵の智くんもさぞや麗しいのだろう

 

 

「顔・・・・見たかったなぁ」

 

 

 

 

 

 

心の声が漏れるほど

俺は今放心状態なのだ・・・・・

 

 

智くんの式がクスクス笑いながら静かに姿を消していく

はいはい・・・どうせ俺はヘタレですよ

認めてるって・・・・悲しいくらい(苦笑)

 

 

カチャッ

 

 

 

静かに近づく足音に気づかないまま

ブツブツと自分自身の不甲斐なさをぼやいていた

目の前で散々俺をバカにしていた式もしゃべりつかれたのか

いつの間にかいなくなっていた

 

 

「・・・・・独りぼっちか、」

 

 

 

 

 

 

 

「お邪魔かな?」

 

不意に声のする方を見れば・・・・・

 

いつの間にか智くんが立っている

 

しかも俺の部屋の中で・・・・・・・・

 

 

「うわぁっ、さ、智くん???」

 

 

「・・・・・・・なに、その顔迷惑だったかな?」

 

 

綺麗な顔が少しだけ歪む

 

 

「め、迷惑なんかじゃないよ!!!」

 

ムキになってついつい声が大きくなる

 

な、なんで智くんがここに?

いるんだ・・・・・

 

えっ??

 

智くん・・・・・・

 

 

ゆっくり近づいてくる智くんから目が離せない

 

 

やっぱり・・・・綺麗なんだよね

ため息が出るくらい

 

「・・・・・綺麗。」

 

 

智くんの姿が目の前に迫っても動けないでいる

 

息がかかりそうなほどの距離になっても

まだ俺は智くんから目が離せないでいた

 

「・・・・・・翔くん、MerryChristmas、」

 

 

囁くような声が耳元に響く

 

ふと我に帰って顔を動かすとツリーの光が目に入る

その光と智くんが重なってとても幻想的に見えた

 

白く輝く羽根が生えているかのように

 

 

 

 

 

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目の前の光景に・・・目を見張る

 

ネクタイを緩めてするすると外していく指に

 

艶を増す潤う唇に・・・・

 

揺らめく宝石のような瞳に・・・・

 

 

「・・・・あの、さ、智くん??」

 

 

「あぁ・・・・翔くんゴメン、金平糖もう無くなっちゃった?」

 

「へっ?」

 

「まぁ、いいや・・・・・・翔くん、金平糖より甘いの試してみる?」

 

「甘いの・・・・って、なん////// んんっ・・・・」

 

 

それは・・・・金平糖のような甘さとは違って

内から湧き出る様な甘露

 

聖なる夜に舞い降りた聖者の口づけは

本当に甘くて・・・・とろけそうなくらい熱を持つ

 

呆けていると・・・・

 

智くんがクスリと笑う

 

 

「・・・・・翔くん、その顔犯罪、おねだりしているみたいだよ?」

 

 

 

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おねだり・・・・・・

 

「おねだりしたら・・・・・また、してくれるの?」

 

大胆になって行く自分にだんだんと酔いしれていく

 

 

 

 

少しずつ智くんに近づいていければいいんだ

 

一歩一歩ゆっくりでいい

 

来年のクリスマスにはきっとヘタレを卒業で来ているはず!!

 

決めてやるんだ!!今度こそ!

 

ブツブツ、ブツブツ

 

 

 

「・・・・・・・・おかわり、いらなそうだね?」

 

「えっ?あっ、ゴメン、えっ・・・なに」

 

何事もなかったかのように遠ざかる智くん

 

クスクス笑いながらあっという間に部屋を出ていってしまった

 

 

 

 

「・・・・・・・さとし・・・くん」

 

 

半べそでドアの閉まる音を聞いていた俺の目の前に

ニヤリと笑うイケズな式・・・・・

 

 

「・・・・・ヘタレは治らないね。ケケケッ」

 

 

「・・・・・・・・・・・。うっさいよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

でも・・・・・・一歩前進だよ・・・・ね??

 

だって、金平糖なくても・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

って、してもらってんじゃん!!

 

俺からじゃなかった!!!!

 

 

くそ~~!頑張れ俺!!

 

 

 

 

 

 

 

MerryChristmas ・・・・智くん