11/22

 

 

日付が変わる直前・・・・

 

よそよそしく動き回る翔くんの足音が

 

部屋の前を行ったり来たり(笑)

 

 

なにを・・・ためらっているのか

 

 

 

 

そのドアを開ければ翔くんの一番欲しいものを

 

渡せるかもしれないのに

 

 

クククッ

 

 

その一歩が・・・・難しいのだろう

 

 

 

 

 

テーブルの小箱を開け

 

赤い粒を指でつまみポイッと口に放り込む

 

溶けてしまう前に・・・・翔くんがあのドアを開けて入って来るかかどうか

 

小さな・・・・・いや、俺にとっては大きいかな?

 

賭けをしてみようか

 

 

 

動き回る足音が止まる

 

 

 

しばしの静寂の中・・・・・

ドアの外で大きな溜め息が漏れた

 

そして足音は小さくなり・・・・遠ざかる

 

 

翔くん・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

困ったね、俺の方が限界かも(苦笑)

 

 

 

言霊・・・・・

 

 

 

 

 

 

言葉をむやみに発することが出来ない俺は

 

その想いを口にできない

 

そう思っていなくとも、時にそう思わせてしまう事があるから

 

一番大切な人に告げられない一言が

 

今、とても歯がゆいよ

 

 

 

ズットイッショニイタイ・・・・・

 

 

そう伝えられたら・・・・・俺の未来も変わるのだろうか

 

 

紅く色づくマシュマロを思い切り頬張りたい

 

そのドアの向こうに・・・・きっと、答えはあるのだろうね

 

翔くん・・・・・

 

いつか、きっと届くかな

 

 

それまで・・・・・待ち切れるかが問題だけれど

 

 

 

カレンダーに薄く印がつけられているその日に

 

小さな期待をしてしまう自分が・・・・・

 

おかしくて、そんな気もちにさせてくれる

 

翔くんがやっぱり・・・・・愛おしい

 

 

翔くんの部屋から聞こえる騒がしい話声をBGMに

 

今宵また夢の中で君に接吻をしよう

 

柔らかいその感触を思い出しながら

 

 

おやすみ・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

赤い小さな粒は

 

最後のカタチを変え

 

甘い蜜となり喉の奥深く広がっていった・・・・・・