36306053_480x504[1]_edited






智が・・・ここから出ていく日

あいつに言われていた

”迎えが来る前に連絡して”

と・・・・・・・




今さらどうにもならないのに

何をするつもりなのか・・・




「・・・・潤、・・・世話になったな・・・」


「・・・・やめてくださいよ、辛気臭くなる・・・」


「・・・・はははっ、そうでもないさ、自由になれるのならこんなこと


気にならないからな・・・」



「・・・大野さんがその気になったら、今までだって自由を手に入れられていた

それを何で今さらって・・・・思っていますけど」



少し間を置きクスッと笑いながら澄んだ瞳で俺を見据える



「・・・・・そうなりたいと、思うことがなかったんでね・・・」


「・・・・・やっぱり・・・あいつの影響なの?」


「・・・・・ふふっ、聞いてどうする?俺はこれから別の男の元に行く愚問だろう?」


「じゃぁ、なんで!」


「潤・・・、人の想いはそれぞれなんだよ・・・俺は俺、お前はお前・・・違うか?」


そんな顔されたら・・・・


もう何も言えない、ズルイヨ・・・・智・・・・





もうじき、契約者が智を迎えに来る

俺は・・・・あいつに連絡を入れなかった

見せたくなかったのかもしれない


他の奴に連れて行かれるところを・・・・




「潤・・・お前は俺の二の舞にはなるなよ(笑)、心のままに生きろ!じゃぁな・・・・元気で」


そう言いながらも一瞬、裏通りに視線を向ける


あいつを・・・待っているのか?


・・・・・心のままに、生きろ?


智は・・・・それでいいのかよ


それで・・・・・



間に合うかわからないが、あいつに智の時間を伝えていた




・・・・・来たところで、何も変わらないが、せめて智に・・・・会わせたい


俺の人生初のお節介だ・・・・


間に合えよ・・・・チェリーボーイ


 

スキャン_20151119 (78)_edited-1