
蒼白い光は誰へだてなく降り注ぐ
俺の上にも・・・・あなたの上にも
「潤」は・・・あの人のこれからを
話してくれた・・・・・・それは納得など到底できない内容で
それでも、自分の意志で決めたことと、ひどく残念がる
そんな「潤」に・・・いつしか親近感を覚えていた
「なぜ・・・あの人は気が変わってしまったのだろう?」
今までその手の話を全く受け付けていなかったはずなのに・・・・なぜ?
「・・・・・・多分・・・・だけど、ここから出るためじゃないかと・・・思う」
「出るため?って・・・自由に外へ行けないってこと?」
「・・・・・・あの人の契約がそうなってる、身体を差し出さない代わりに
自由を失くした・・・・」
・・・・・・・身体が不自由じゃなかったんだ・・・・
「・・・・・でも、それも意味がなくなって・・・・・・足、悪いんだあの人、一人じゃ遠くまで
歩いていけないくらい」
「えっ?・・・・それって・・・・」
「多分・・・・舞台に出られないのでは商品価値のない人間になったと思っているんだと思う」
「だからって・・・・話を受ける理由にならない!」
「・・・・あぁ、そうだよ。・・・・だから、自由と引き換えに承諾したって言ってるだろう?」
イラッとした口調で俺の方に向き直り射抜くような視線を投げかける・・・
「あんたが原因だとは思わない?」
「えっ?・・・・・俺?」
「そうだよ、あんたに出会ってから毎日笑っていたんだ・・・・・それまではずっと
空っぽだったんだよ、心の中が・・・・・」
・・・・・・俺が原因って・・・・
「あんたに、自由に逢うために条件をのんだ・・・
あの人の契約者が自由に好きなように行動を束縛しないと言う内容を提示してきたから」
「契約者?・・・・」
「・・・・・そう、昔で言うと・・・身請け?」
「身請けって・・その・・・・お金で身体を・・・?」
イラついたままで、そうだよと、怒気を込めて天を仰ぐ・・・
「潤」・・・はきっとあの人が好きなんだろう・・・
好き・・・・か
ずっと一緒に過ごしてきた時間は「潤」にとっては、幸せの何ものでもなかったのだろう
俺には・・・その時間さえもない
あの人が・・・俺のためにそうしたなんて
到底考えられるわけがない・・・・
だが、俺がその契約者になれれば・・・・
自由を無償で渡せる・・・・
「ねぇ、その契約って・・・・俺じゃできないの?」
「・・・・・・・?ふふっ、ははははっ本気で言ってるの?」
「本気だけど?」
「あんた、あの人の何をしってる?、興味本位ならやめとけって・・・」
・・・・・・確かに、何も知らない。
あの人の歌が心に響くことぐらいと・・・・笑顔・・・・しか知らない
それでも・・・何かしたい
「・・・・・サラリーマンには一生かかっても稼げないほどの金額さ、それより・・・
もっと他の事考えたら?」
「他の事?・・・・・」
端正な顔立ちで俺に微笑む「潤」・・・・
他の事って・・・・いったい俺に何ができるって言うんだ?
目の前で・・・ほかの誰かのモノになってしまうあの人を思うと
いてもたってもいられないくらいの焦れが身体を駆け巡る
どうしたって・・・・無理なのは百も承知だが、
諦めきれない俺の頭は・・・・・
あの人のことでいっぱいになっていた・・・・・
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