『セックスしよう・・・・』

そう俺に言ってきた松潤・・・・・

 

 

だが、あれから松潤は何も言ってこない

いままでと変わりなく俺とも翔くんとも普通に接している

 

時折・・・・翔くんを見つめる寂し気な視線に

本人が気づいているのかどうか・・・・

伝える気もさらさらないが・・・・・

見ているこっちが切なくなるくらい

 

 

松潤は・・・・・どうしたいのだろう?

もし・・・・・翔くんに思いを伝えたとしたら

翔くんはどうするんだろう?

俺のことを・・・・ちゃんと松潤に説明してくれるのだろうか?

それとも・・・・

 

余計なことをあれこれ考えていると

隣で眠っていた翔くんが大きな伸びを一つ

 

 

 

 

「ふあぁ~~~ふっ、よく寝た~~~!!」

 

 

寝起き特有の掠れた低音ボイス

その声にたまらなくゾクッとすることは

誰にも言えない俺だけの秘密

 

 

「起きたぁ?」

 

「あぁ、待っててくれたの?」

 

「あんまりにも気持ちよさそうに寝てたから(笑)」

 

「はははっ、それはそうだよ、智くんの隣だからね、リラックスできるんだ」

 

・・・・・・何気ない言葉に思わず綻ぶ顔

 

素直に嬉しいと思うんだよね

翔くんといると自然のままでいられる

自分が自分でいられる貴重な場所

だから・・・・誰にも譲れないよ

俺の大切な場所だから・・・・・・

松潤・・・・・絶対に渡さないから

 

 

 

 

 

 

「あ、あのさ・・・・智くんっ・・・・・、」

 

翔くんが話し始めた内容に愕然とする

翔くんが悪いわけでもないが

さすがに・・・・俺も普通ではいられなかった

 

 

「なんで・・・・・松潤の言ってること信じるの?」

 

「信じてなんていないよ、だけど、・・・・・」

 

「だけど?」

 

「・・・・あんまりにも、その・・・・り、リアルだったから」

 

「何が?」

 

「なにがって・・・・その、キ、キス?」

 

どうやら、松潤は翔くんに俺とKISSしたことがあると

話して聞かせたらしく、今まで言い出せずにいたと

翔くんがオロオロと話し始めたわけで・・・・・・

聞いていると無性に腹立たしくなって

そんな翔くんに・・・・・意地悪してみたくなってきた

 

 

 

 

「ねぇ、翔くん・・・・、リアルって・・・・どんなふうにさ?」

 

「どんなふうって・・・・・その、・・・柔らかさとか?」

 

「ふ~ん、どんなふうに柔らかかったって?」

 

「・・・・・・・そ、それは、その・・・・・・えっと・・・、うっ」

 

 

ジリジリと翔くんとの間合いを詰め寄る俺に

一歩一歩後づさりする翔くん・・・・・

 

 

「どんなふうに俺としたんだって?聞いたまんま教えてよ」

 

 

「・・・・・・・し、してないんでしょ?本当は」

 

 

「わかんないよ?・・・・・翔くん、その話が本当かどうか試してみる?」

 

 

「た、試すって・・・・」

 

 

後がなくなった翔くんをジーッと見つめていると

何かを悟ったのかスッと視線をそらせた

 

 

「翔くんは・・・・俺と松潤とどっちを信じるの?」

 

 

そう耳元で囁いて、のぞき込むように

真っ赤な果実にそっと触れた

その瞬間ピクリと動いたその果実は

ゆっくりと二つに割れはじめ

俺の熱を受け入れ始める・・・・

 

柔らかいのは・・・・・翔くんであって

俺のじゃないから・・・・・だから

松潤の話は間違い・・・・・

唇に触れながらそう説明する俺の声を

蕩けるような瞳で聞いている翔くん・・・・・

 

 

 

そんな翔くんが・・・・・可愛くて

何度も熟れた果実を頬張った・・・・

甘い香りと・・・・ライチみたいな甘い味がした

 

思いがけずいただいた極上の果実は

俺の大好物となった・・・・

 

 

・・・・・・これはこれで、松潤に感謝だな

でも、それはそれ。要警戒に変わりなし!!!

 

フニャフニャになった翔くんを抱き起して

もう一度言ってみる

 

「・・・・・どう?聞いた話と同じだった?」

 

ブンブン首を横に振り

真っ赤な顔で答える翔くん・・・・

 

「話より・・・・・何百倍も、や、柔らかい!!」

 

 

あはははっ、やっぱり翔くんって最高!

 

 

 

 

 

 

とある夏の日の出来事・・・・・