・・・・・・・・・・・・・・・。

 

まったくといっていいほど・・・・減らない金平糖。

 

それが無いと、その・・・・・おねだりし辛くて

 

智くんにもらったときはテンションめちゃくちゃ上がった

 

はずだったんだ・・・・

 

これさえあれば、いつでも甘いキスが出来るんだと

 

そう思って・・・・・・

 

 

 

 

「っはぁぁぁぁぁ~~~」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

今世紀最大のため息は

 

誰に聞こえるわけでもなく・・・・・

 

そのままそっくり自分に跳ね返ってくる

 

ははははっ、・・・・・・・・・・・・む、空しすぎる!!

 

 

 

俺は馬鹿がつくほど小心者で・・・・

 

そんなことは重々承知してはいたが

 

さすがに・・・・・・これじゃ、中学生以!!!

 

 

カエルに笑われても何も言い返せる分けもない

 

 

 

 

 

 

 

智くんは、それ以来俺に触れようとはしてこない

 

心ならずも待っていてくれているように

 

感じることも多々あるのだが・・・・・・・

 

 

あの・・・・・唇までたどり着くには、

 

どうすればいいのだ!!

 

 

 

 

「・・・・・・っはぁぁぁぁぁ~~~~~」

 

 

 

 

 

 

『・・・・・・ゼイタクナ、ナヤミトイウモノダ』

 

 

 

 

「おわぁ!!、びっくりしたな、もう!!」

 

 

突然背後からの声に驚いて振り向けば・・・・・・・

 

 

どこかの絵本から抜け出たような

 

端麗な顔立ちの式が立っていた

 

 

(・・・・・こいつこんなに人っぽかったかな???)

 

 

て、なんで俺の考えがわかるんだ??

 

 

「な、なにがゼイタクナだよ!」

 

 

ふふっ、と、笑いながら

 

何も言わずに遠くを見つめる横顔に

 

思わず引き込まれそうになった・・・・・・

 

 

『クンプウ・・・・・』

 

 

「クンプウ??」

 

 

『ワレハ・・・・ジキニ ソレニナル』

 

 

クンプウ・・・・・・夏の季語か??

 

薫風、

 

 

どこか切なげな瞳を遥か遠くに向け

 

たたずむ姿は・・・・・やはり絵になる

 

 

 

 

『オモイハオナジ・・・・ココロノママニ』

 

 

 

囁くような声が耳に届くと

 

ふっ、と姿を消した

 

 

 

なんなんだ???

 

センチメンタルな式って聞いたことがないぞ!!

 

 

 

だが、その言葉はすとんと俺の心に落ちてきた

 

 

「・・・・・・心のままに、か」

 

 

 

・・・・・・・・・よし!

 

 

一大決心をした俺は、

 

金平糖を一粒口に放り込み

 

その甘さを記憶にとどめる

 

智くんと一緒に味わえた時

 

どのくらい甘くなっているのかを

 

実感したかった・・・・

 

 

 

智くんが帰ってきたら・・・・・

 

 

瓶ごと目の前に差し出して・・・・・・

 

差し出して・・・・・

 

さ、差し出して・・・・

 

(照)

 

 

あっ、その前に・・・・・

 

歯磨き・・・・(照)

 

 

・・・・・・こんな俺って

 

どうなんだ?

 

 

いけてるのだろうか???

 

 

はははっ、なわけないか(苦笑)

 

 

 

 

 

 

晴天さわやかな風吹きそよぐ

 

        緑豊かな青き嵐のごとく

 

                   この思い天まで届け・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

2016/05/23