「ドウシタ・・・・キゲンガワルイナ」
「・・・・・・そう見えるのか?潤には(笑)」
そう言って笑って見せる顔はいつもと変わらないように
感じるが・・・・気が乱れている。少しだけ・・・・・
それもアレの所為なのだろう・・・
サトシの大切な人間・・・・・・・
「来る、来ない・・・・来る・・・・来ない・・・」
「サトシ・・・・ナンノマジナイダ?」
「ふふっ、これか?これは花占だよ。花びらをちぎって最後に残った一枚が
答えってさ・・・・・願いが叶うのかどうか・・・・昔のおまじない?」
「ナニヲ、ネガッテイルノダ?」
「・・・・・・・なんだろうな?(笑)俺にも、わからない」
「・・・・・・・・・・・。」
サトシは少しだけ寂しそうにテーブルに目をやると
アレの座る位置に置かれている小瓶を見つめていた
砂糖菓子・・・・
いろんな色の星の粒が入った小瓶
サトシはそれをたいそう気に入っているらしく
二人で話し込む時には決まって青の気を纏う
アレと伴に過ごす時にだけ現れる
・・・・・・・・・・・・・。
我は何を思う?
チクリと胸の奥が痛む・・・・・
初めての感覚に戸惑っていた
「・・・・・・潤?どうした、」
普段と変わりなく・・・先代以上に必要としてくれている
先代とは違った緩やかな気で我を包み込む
サトシ・・・・・・我はあとどの位傍にいられるのだろうか
先代の意志を引き継いだサトシとは直接の契約をしてはいない
式の役目が終わったとき・・・・・
我は消えゆく運命
青い嵐となり・・・・・野山に散り行くのみ
元の場所へ戻るだけのこと
ならば・・・・・我が主の元に届けよう
心地よき風が御身を包み込むように
薫風となりて・・・・・届けよう
常に穏やかでいられるように
我が君子・・・・・


