あれ以来・・・
学校以外でも頻繁に会うようになって
俺的にはかなり親密度が増したと
思っていたのだが・・・・
智くんは、自由気儘な猫のように
つかず離れずの距離を保っているように感じる
気のせいじゃないんだな・・・これが
なんせ・・・・俺等は
いまだに・・・・・プラトニック
男同士で何言ってる?
って思うわな・・・普通
だけど、俺の恋したマドンナは
男だったんだよな・・・・
正真正銘の男・・・・・
春の陽ざしに透けるような白い肌に
一目ぼれ・・・・・
寝顔と、ふせた長い睫毛に
ふた目ぼれ・・・・
通った鼻筋からの形の良い唇に
三度惚れ・・・・・
見上げられた濁りのない綺麗な瞳に
止めの一発!
毎日が楽しくて募る想い
いつもの俺の席に座った姿を目にしたときは
夢かと思ったくらい
それが・・・今こうして
目の前にいる奇跡
贅沢なこととは思うのだが
心は正直・・・・・悲しいかな
やはりそこは雄なわけで・・・・・
目下それ以上を・・・・望んでいるところ、である!!
「・・・・・・なに?またくだらないこと考えてンの?」
髪の毛を少しだけ切った智くんは
中性的な雰囲気から一転・・・男らしい一面ものぞかせるようになり
時々・・・・ゾクリとするときがある。
だが・・・・・やはり
俺にとってはマドンナで・・・・
どんな女よりも綺麗で可愛いくて
可憐な人なのだ・・・・
「・・・・・・翔くん・・・目つきが厭らしくなってる(苦笑)」
「・・・・・そんなこと、な、無いって!」
「ふ~ん・・・・そうなんだ、俺は・・・・結構考えてるよ?」
「へっ??」
「んふふっ、だからさ、イ・ヤ・ラ・シ・イ・コ・ト・・・・(笑)」
・・・・・・・今、なんと言った??
智くんは・・・確かにイヤラシイコト・・・・と
言わなかったか???
ゴクリと・・・・喉が鳴る
目つきが、顔つきがよっぽど変わったのだろう
ケラケラと笑いだす智くんが
愛らしくて・・・・つられて俺の顔も緩む
なかば拷問のように俺を翻弄する智くんは
本当に楽しそうに笑うから
・・・・・・・手が出せないのだ、
さて・・・ここからどうしたらいいものか?
俺の中で小さなせめぎ合いが始まった




