なにが・・・・おきているのか

分からないでいた



ただ・・・甘く痺れるような

時間だけが過ぎていく











あり得ない感触と


あり得ない・・・・熱


あり得ない・・・吐息と


あり得ない抱擁



智くん・・・・・


智くん・・・・


智・・・くん






ずるずると壁際に押しつけられ

崩れ落ちそうになる身体を智くんの腕が支える








幾度となく重なる「それ」に・・・


いつしか自分の思いが重なる


押しつけられる訳でもなく

ふわり触れるような感触が・・・・

僕を・・・包んでいく


もっと・・・


触りたい


もっと・・・


感じたい




ボーッとしたまま

智くんを追いかける


離れたくない、その一心で














「・・・・・俺が、ずっと見ていたのは・・・君」



唇が触れたまま話す智くん・・・





「・・・・・俺がこうしたいと・・・思っているのは・・・君、」




頬を包みこむ手のひらがだんだんと熱を持つ




「・・・・・翔・・・くん、俺ね・・・・翔くんが・・・」





ピンポ~ン




「!!!!!!!!!!」


「!!!!!!!!!!」




ドアの開く音






一瞬にして空気が凍る



とっさに、智くんから離れようと身体を起こ仕掛けたとき


それまでにない


力強さで引き寄せられる


抱きかかえられたまま


息も出来ないほどの


口吻を交わす



足音がすぐそこまで迫るまで


甘い露の雨が降る