僕・・・・
緊張している・・・・
部屋のドアの前に立つ翔ちゃん
ここに入ったら・・・・二人きり?
これって・・・・二宮さん的には賭け成功ってことかな?
だって・・・・声もかけてくれたし
部屋にだって入れる・・・・
僕じゃない・・・女の人としてだけど
翔ちゃんは鍵を開けるとくるりと振り向て
紙袋を僕に渡す
「着替えが終わりましたらドアを開けてください、
衣類をクリーニングに出しますから」
ニッコリと微笑んで僕を部屋の中へ入るように促す
・・・・・着替えろって言われても
あんなの着れ無いよ
胸偽物だってバレちゃうよ!
オロオロする僕を楽しむかのように
にこやかな微笑みでゆっくりとドアを締めた・・・・
翔ちゃんは・・・入ってはこなかった
ホッとしたのと・・・・
少しだけ残念なのと、なんだかいろんな感情が
グルグル回って・・・・
「・・・・・っはぁああああ~」
思いっ切り息を吐くと、どっと疲れが押し押せてきた
恨めしく袋の中身を眺めては漏れるため息
「・・・・・何やってるんだ?僕は(苦笑)」
翔ちゃんが夕べそこで寝ていたはずのベッドに
ゴロンと横になり天井を眺める
そもそも・・・・この賭けの意味がわからなくて
二宮さんにはなんのメリットもないから
僕だって、ただ翔ちゃんに会えるからついてきただけだし
こんな回りくどいことなんてしないで会いに来ればよかった!
・・・・・そう言えば、二宮さんの知り合いの人
来てたけど・・・・逢えたのかな?
普段クールな二宮さんが、あの人には当たりが少し強いから
きっと・・・特別な人なんだろうなぁ~(笑)
その人に誤解させたままだけど・・・・
服を返しに行くときに説明しなくっちゃ
・・・・・これ、ホントに着るの?
翔ちゃん・・・・
こんなの趣味なんだ
シルクの生地は思いの他滑らかで
着心地の良さそうな手触りに意を決して
着替えてみれば・・・・なかなかの出来栄え?
一見女の人に見えなくもないけれど
さすがに、これで外には出られない・・・・(苦笑)
でも、服は返さないといけないし・・・
クリーニングって・・・・どのくらいかかるんだろう?
あれこれ考ええいるうちに
緊張が緩んだのか
そのままベッドに寝そべって・・・・
いつの間にか・・・・翔ちゃんの夢を見ていた
優しい笑顔で僕を覗き込む
眩しい翔ちゃんの笑い顔にそっとkissをする夢・・・・
「翔ちゃん・・・・・」

