翔ちゃんの後ろを慣れないヒールの靴で歩く

ギクシャクと足取りがおぼつか無い・・・・・


少しずつ離れていく距離が何だかもどかしく

小走りに翔ちゃんに追いつく














心なしか・・・・翔ちゃんの肩が揺れてる?








ホテル内の高そうなお店に入っていくと・・・


くるりと向きを変えてにこやかな微笑みで服を選びだす


????




翔ちゃん・・・・・それは・・・

さすがに僕には・・・・




背中の大きく開いた高そうなシルクのワンピース・・・


それを腕にかけストールを選びだす・・・・





断らなくちゃ・・・・


「・・・・・あのぅ・・・・」



「・・・・はい?・・・あぁ。これはほんのお詫びですから

気にしないでください(笑)・・・・」




「・・・・はい。」



・・・・・必要以上・・・声出せないし・・・・


どうしよう?





そんな僕に構うことなく


レジに行ってしまった翔ちゃん・・・・・・


戻ってくると・・・・


大きな紙袋を抱えてそっと僕の背中に手を添えた



ピクリッ



思わず身体が強張る・・・・・



「・・・着替えは、ここでしますか?それとも部屋に帰ってから?」



部屋?・・・・・そう言えば・・・・・


二宮さんから部屋どこか聞いていない・・・・・




「・・・・・・・・、よろしければ私の部屋を使ってください」



モジモジしている僕にそう言う翔ちゃん・・・



もし・・・これが本当の女の人なら


素直に「うん」って言っちゃうのかな?


でも・・・初対面じゃ・・・おかしいか?


これって・・・・


ん?


ってことは、翔ちゃんはこうやって女の人を


誘うことがあるってこと????



・・・・・・ムゥ



何処までも爽やかな笑顔で僕を見つめる翔ちゃん・・・・



これが自分ならすぐにでもその胸に飛び込みたいのに



今は・・・・初対面の女の人だった


しかも・・・・自分の部屋を使ってって・・・・・




なんだか面白くない






エレベーターを降りて部屋に続く廊下に出ると



時々僕を振り向き確認する・・・・


そのたびに視線を反らしこそっと顔だけ隠れる


ここまで来たんだ、最後まで騙してやるんだ!!



もし・・・・誘いにのったりなんかしたら


現行犯逮捕だ、翔ちゃん!!