やっと終わる・・・
明日になれば智に会える・・・
抱きしめられる・・・・
あぁ、一刻も早くこの場を立ち去りたい!!
ドンっ、
「あっ、失礼・・・・・」
足早に宴会場から抜け出そうと扉を開いた瞬間
誰かにぶつかってしまった・・・
華奢な感じの・・・女性?・・・
「・・・・えっ?!」
見れば先刻から見かけていた
智によく似た人だった・・・・・
「す、すみません・・・確認もせず、って・・・あぁっ」
視線を落とすと
胸元に・・・飲み物がこぼれてしまっていた
ハンカチで拭きながら背を向けていってしまうのを
なぜだか引きとめてしまい
「あの、クリーニング代払いますから、シミになる前に何か
お召し物を着替えないと・・・・」
って・・・・俺、何言ってんだか!
「いえ・・・結構です」
小さいが・・・割とハスキーな声をしている
・・・・あぁ、智もそんな声を出したことあったなぁ・・・
ベッドの上で・・・・(照)
・・・・・俺は、変態か?
「あのぅ・・・本当に、結構ですから・・」
初対面なのに・・・まじまじと見つめていることに気が付いて
慌てて視線を反らす・・・
何やってんだ?俺・・・
たったの数日でホームシックならぬサトシックになってるってか?
沈黙の中・・・いらぬことばかりが頭を過る
気のせいか・・・智と同じ香りが漂う・・・・
ここに・・・連れて来ればよかったと
さらに後悔していた・・・・



