しかし、さっきの女の人・・・
智によく似ていたな
もし・・・智が女性として生まれていたら
俺らはこうして出会うことが出来たのだろうか?
・・・・・いや、違うな。
性別はきっと関係ないのだろう
好きになるのに男も女も関係ない
子孫を残す目的が一番ならそれもあるのだろけれど
残念ながら・・・・
俺には、今この瞬間が全てで・・・・
智と過ごす時間が俺の大切な生き甲斐となっている
改めて・・・出会えた奇跡に感謝しているよ
智・・・今頃なにしている?
正直、少し・・・後悔している
この場に連れて来ればよかったと・・・
まぁ・・・抱きつぶしてしまうのが目に見えているから
仕事に集中するにはこれでよかったのだけれど
いま、無性に智の温もりが欲しいと思っている
柔らかい肌に包まれたい
清らかな香りに酔いしれたい
内からジワリと溢れてくる甘い疼きに
思わず苦笑い・・・
この仕事が済んだら
ゆっくり旅に出たいな、智の好きな場所で
智が描く姿を眺めて・・・・
それから・・・・
そっと抱きしめて・・・・
・・・・・それ・・から・・・・
智を思い浮かべながらいつの間にか居眠りをしていた
夢の中まで智が現れる・・・・しかも
えらく艶っぽい格好で・・・
ゴクリと喉が鳴る
俺は・・・相当
男性ホルモンが分泌されているようで・・・(苦笑)
あんなに抱きしめてもまだ・・・足りない
「翔さん!!翔さんてば、なにニヤケてるんです?起きてください!
こんなところでうたた寝してたら風邪ひきますよ、」
二宮の声で目覚め
くるりと辺りを見回す・・・・
なぜかそこに・・・智がいたような気がした
「智・・・?」
「・・・・・何寝ぼけてるんです、最愛の人は置きざりにしてきたでしょうが!」
「あぁ、そうなんだが・・・いや、今そこにいたような気がして・・・・」
二宮に再度視線を向けると
呆れたように大きな溜め息を吐く
「たった数日間ですら我慢できないと?・・・なんなら、女の子でも用意しますよ?」
「なっ、ばか、そんなんじゃないって、・・・・」
「なんなら、俺の貸しましょうか?」
「はっ?」
ニヤつく二宮の顔・・・・・
こいつ・・・からかって楽しんでるな・・・(苦笑)
「遠慮しとく・・・智と以外は考えられないから、はははっ」
「それは、どうでしょうねぇ?」
意味深な二宮の言葉・・・・
「なに?俺が智以外に心揺れるとでも?」
「・・・・・わかりませんよ、絶対的不変なものなんてありますかね?」
「・・・・なんだか自棄に突っかかるな、何かあったか?」
フイッとそっぽを向き答えない・・・
どうやら、こいつにはこいつの悩みがあるようで
平静を装ってはいるが・・・内心かなり熱い男なんだろうな
何があったかなんて聞かないが・・・・
「俺の・・・経験上、後悔先に絶たず!だぞ、たまには自分に素直に
なる事も必要だ、間違えるなよ」
「余計な・・・・お世話ですよ、」
「ふはははっ、それは失敬!!あくまでも、俺の経験上だから」
何か思うことがあったのか・・・
じっと考え込んでいる二宮を残し、部屋に引きあげた
さて・・・・
さっきの夢のつづきでも・・・・見ようか
智・・・・待ってろよ、って
ふふっ、アホだな俺も(笑)・・・・




