静寂の中・・・・

意識を飛ばした智くんを

抱き寄せ、まだ、吐きだすことのできないでいる熱を・・・

繋がったままでいる確かな証を・・・

この目に焼きつける


ゆっくりと身体を揺すりながら

記憶に刻みこむ


火照った身体にちりばめられた

真新しい花弁は

俺の想いの全て・・・


消えかかったところにも

新しい跡を残し

もう、あいつだけのものではないことを

見せつける


突き動かすたびに

意識のないはずのあなたの身体が

俺を探しだす

弱々しく伸ばされた腕は

宙を彷徨い

決して届くことの無い

俺の身体を求めだす

目尻に滲む泪のあと

悦びの泪なのか・・・それとも




間違わないと誓った傍から

また俺は過ちを犯す


狂った思考は留まることを知らない


あなたが欲しいと

本能のまま再び抱いてしまったことを

どうか・・・

許して欲しい



甘い香りに狂わされ

甘い疼きに支配され

いつしかあなたを抱いていた

そいつを思い描くことで

欲情を吐きだしていることに気づいてしまったんだ


あなたを自分の手にできなかった悔しさと

いつまでも素直になれなかった己の

意気地なさがあなたを苦しめる


幸せにしたかったんだ俺の手で

スズランのように

可憐で純粋な真っ白なあなたであって欲しかったんだ


だから・・・俺は

あなたの毒を飲み干す


あなたが穢れたというのなら

俺があなたを浄化する

だから・・・・




あなたの口で

俺の・・・・息の根を止めてもらいたい



二度とあなたを穢さないために


俺の卑しい心を


あなたの毒で清めてほしい




混在する想いの中で


最後の時を迎える


激しく打ち付けるたびに仰け反る背中

皮張りのソファーの軋む音


飛び散った残骸が二人の業を物語る

無意識のなかであなたは

誰を求めているのだろうか


あなたの中に俺の想いを解き放つ・・・・



「ゴメン・・・っく、ぅくっ、」



嗚咽が部屋に響き渡る・・・・