結局・・・
翔くんにスペアの鍵を預けた
その時の俺は
想像以上に鼓動が跳ねあがり
指先から血の気が引いていく感覚に
動揺していた
翔くんは・・・・その鍵を
やっぱり俺の顔を見ることなく受け取ったが・・・
見間違いじゃ無ければ
俯き加減に笑った気がしたんだ
照れくさそうに・・・・
考えないようにしても
一旦しぼんだ小さな期待は
すぐに頭をもたげてくる
どんな話だっていい
二人だけの空間に二人だけの時間が流れる
以前のように何も考えずに
そんな時間を過ごせるのなら
それだけで心躍る・・・・
月曜日・・・俺はどんな顔で
翔くんを迎えるのだろう
翔くんは・・・・
どんな顔で俺を見るのだろう
たいして、片づけるほどでもない部屋を
掃除しながらそこへ座るであろう場所にを
念入りに拭きながら
鼻歌を歌っている自分に気づく・・・
その存在自体が俺は嬉しいのか?
心砕け散るような話なのかもしれないのに
ちっぽけな期待の方が優っているんだ
その時まで・・・
つかの間の幸せな気分とやらを
満喫しておこう・・・
きっとおなか減らして
真っ直ぐに来るのだろう
翔くんの好きなものを用意して
待つことにした
時間が迫る
ZEROが始まった
こんな思いでZEROを見ることになる何て
思いもしなかったよ
翔くん・・・・
君は、今、画面の向こうで何を思う?
相変わらずのイケメンぶりに
グラスを傾けた・・・・
長い夜が・・・・始まる

