「寝ないの?」


「・・・・・・・・。」







「いつまでそうしているつもり?」


「・・・・・・・。」



「・・・・・サトシ、あなたはもう・・・」



「あぁ、・・・・わかってる、」



「そう・・・・・なら、いいんです」



「・・・・・・・・寝る。」



「では・・・こちらに・・・・・」



「いや、ここでいい」



「・・・・・サトシ?」















それほどまでに俺を拒絶するのか


やっと、あの人から奪い去ったというのに


これじゃ、、何も変わらない



あなたの心が受け入れるまで待つつもりでいたが


どうせ俺を拒むのなら無理やりにでも


我がものにしてしまえばいいこと





・・・・・・・・ふふっ、



そんなことができないって知っていて



あなたは・・・・・・・・・



酷い人だ










あなたは最近

同じ時刻に物思いにふけることが

多くなっていった


まるで見えない逢瀬を慈しむように

窓辺に寄りかかり瞳を揺らす


そんな顔をさせる人はただ一人


あの人以外にはいない・・・・・




俺の手をとりながら

心は今でもあの人を思う

それでもいいと俺は思っていた

あなたが・・・・サトシが手に入るのなら





だが、現実は残酷で近ければ近いほど

あなたの心情が手にとるようにわかってしまう


なぜ・・・・


あなたは俺の手を取ったの?


あの人を忘れられないのになぜ?



言い知れぬ苛立ちで今にもあなたを

組み敷いて己の欲望を突き当ててしまいそうになる

あなたは残酷だ・・・・・


俺が何もできないことを知っていながら


無意識に俺を狂わせていく



欲しくて、欲しくて・・・・・


気が狂いそうな夜をあなたは知らない



俺にただ、抱きしめられて眠る夜ですら


その唇が奏でる名前は

俺じゃない・・・・・



なぜ、あなたは俺の元へ来たの?


あの人を置きざりにしてまで




あなた以外に触れた手を取る勇気がなかっただけ

嫉妬に狂ったあなたの瞳には

今も・・・あの人が焼きついている

あの人にしか見せないその顔・・・・・





ならば、俺にしか見せない顔は?




そう・・・・




無理やり繋いだあなたの身体に走る

嫌悪と激痛に歪む顔


それが唯一俺にしか見せない

俺だけのあなたの顔・・・・



その顔が薄く桜色に上気し妖しく色を持つ

快感に打ちひしがれる様を想像するだけで

俺は欲を吐き散らせるんだ



いずれそれが現実となるその時まで


見えない逢瀬を楽しむがいい






サトシ・・・・・










俺はあなたを離さない


あの人があなたを奪いに来たとしても


その身体はすでに俺のもの・・・・


いずれ俺の欲でうめ尽くされる


愛おしい身体・・・・


あなたが俺を選んだ時から

俺の中で復讐が始まる


俺の心を壊していく

あなた方二人に対しての・・・













サトシ・・・・・


それをあなたも望んでいるのでしょう?


壊されたいと・・・・・


その望み、叶えてやるよ


だから・・・・


一度でいい


俺をアイシテ・・・



その唇で俺の名前を


呼んで・・・・・



嘘でもいいから



あなたの愛を



俺に・・・・・・・頂戴




サトシ・・・・・・・・

俺は・・・・あなたの隠れ蓑みたいだよ




いつかあなたを

包みこめたらいいのに・・・・