「翔くんゴメン!!!」
俺は、翔くんを思わず押し倒していた
押し倒したはいいが・・・・
ど、どうするんだこれ?
万歳の姿勢で倒れ込んだ翔くんにまたがり
肩を両手で押さえつけたまではいいが
この先・・・・
キ、キスしてもいいのか?
それとも・・・・
ほっぺたからか?
あれ?どうやってたんだっけ
グルグルと足りない脳味噌をフル回転させるも・・・
じっとりと冷たい汗をかきだすだけ
翔くんはといえば・・・・
その先を期待しているようにも
何かを図っているようにも見え・・・・
固まったまま動けないでいる俺に
大人しくされるがまま・・・・
うっ、・・・・
そんな顔したら・・・・・
俺の意志とは関係なく
身体は正直に反応し始めて
跨った翔くんの腹にツンと当たっている
突然、翔くんが大きく息を吐きだし
少しだけ残念そうに俺に話しかけてきた
「智くん・・・重たいんですが」
「・・・・うん、だな・・・」
間の抜けた返事しかできないでいる俺に
「智くん・・・何もしないならどいてくれる?」
心なしかさめた声・・・
「・・・・い、イヤだ」
・・・・な、何もしないわけじゃない!
ってか、何そんなに冷静なんだよ
お前は!!!
「・・・・智くん、少し落ち着こうか」
「・・・・・落ち着いてるよ、充分」
「でも・・・・・智くん、こんなにちぢこまってたら(苦笑)」
「ち、縮こまってなんか無い!!」
いつの間にやら、ジーパンのなかで肩身を狭くしていた
俺自身は緊張からか、なかなか本領発動せず・・・
「焦らなくていいよ・・・智くん」
この男の余裕綽々な顔が妙にいらつき
ニヤつくその顔を困らせたくて
悪態をついてみる・・・・・
今上にいるのは俺、優位な位置関係なわけで
見下ろせばほんのり朱色に染まる
形の良い唇が目に留まる
しげしげと眺めているそばから
口数の減らない翔くんがいて・・・・
あまりにもよくしゃべるもんだから
その口を塞いだ・・・・
「だからさ、・・・一旦降りて・・・んんっ、」
ピクリと堅くなった身体はすぐに力が抜け
やっぱりさっきと同じく
俺にされるがまま・・・・
だけどさっきと違うのは
俺の尻に当たるお前の兆し・・・
・・・・・なんだ、翔くんも期待してたんじゃん(喜)
そう思ッた途端
俄然やる気がみなぎる息子・・・・
緊張していたのは俺だけじゃ無かった?
よくしゃべるときほど
緊張していることが多い翔くん
もっと早く気づけばよかった(笑)
さっきまでと様子が違うことに気づいて
手足をばたつかせる翔くん・・・・
それがなおさら俺の雄を煽る
しっとりと潤って俺の舌先に触れる
翔くんの唇はプルプルしていて
食べてしまいたいくらい
中々翔くんの中に行かない俺を
待ちきれなくて
開き出す唇・・・・・
でも・・・まだ行かない(笑)
プルプルしている感触が気にいって
それをしばらく味わいたいと思っているわけで
まぁ、そんなこと思っているのなんか
ワカラナイだろうけど(笑)
ずっと・・
しおらしく、されるがままの翔くんが
可愛くて・・・・
つい、苛めたくなって・・・・
耳の後ろをソワソワと責めたてると
「あっ・・・・」
って、ハスキーボイスで声を上げるもんだから
調子に乗った俺の息 子は
その存在をこれでもかってくらい
見せつけるように立 ちあが り
翔くんを刺激していた
・・・・・これが
結果的には、まずったわけで
スイッチの入った翔くんは
俺の今までの雄をあっという間に
抑え込み、嘘みたいな形勢逆転劇で
俺をいとも簡単に下にする
初めから・・・・・狙っていた感も否めず
口の端を上げてニヤつくその顔が
勝ち誇ったかのようで
・・・・・なんだか、ムカついた
ただ・・・どう頑張ったところで
欲 情し始めた身 体は熱を持ち
翔くんが欲しいとムズムズしている
酒の勢いなんか比じゃないくらい
心の奥底から湧き上がる
疼きに支配されていく
翔くんの瞳の奥が妖しく揺らめきだせば
もう俺なんかイチコロで・・・・
がむしゃらにしがみついて
欲を吐 きだすことしか
考えられなくなっていった
それがまた気持ちがいいときてるもんだから
始末に負えない・・・・
勝手に揺れ る腰がどうにも止められず
全身で翔くんが欲しいと主張する
そんな俺を目を細めてみている翔くん
だから!なんでお前だけ
冷静なんだって??
揺すられ、突かれ、乱れ動く身体を
力強く抱きしめる腕に
思い切り爪を立ててやった
もうその位しか思いつかないくらい
俺は・・・・快感の波に飲まれていった
くそ・・・・
き。気持ちよすぎっるって!!!
「ぬうううううううあぁあ!!!」
翔くんのニヤつく顔がゆっくりと
フェードアウトしていく
俺は・・・
しばらくぶりの絶 頂を味わっていた

