智くん・・・・
いつまでも
俺を抱きしめる感触が
余計に不安を煽る
すぐにでも掴まえたくて
身体を起こそうとすればするほど
遠くに行ってしまう
温もり・・・・
ここが現実か夢なのか
わからなくなっていた
ただ・・・
智くんの声だけが
俺の頭の中に響いてくる
声にならないほど小さな
囁きが・・・・
『アイシテ・・イル』
そう言っている気がした・・・・
俺は、智くん・・・あなたから
たくさんのものを与えてもらった
もし、またあなたと会えるという
願いが叶うのなら
その時は、俺がもらった以上の
愛情をあなたへ返そうと
・・・・・決めていたんだ
あなたが今も変わらずに俺を
思っていてくれているのなら
そう・・・・信じて
この扉を開けた
そして、ここにあなたがいた
それだけで充分だった
それがあなたの答えでもあったのだろ
先のことなんてどうだっていい
今、あなたがここに存在していることが
重要だったんだ・・・・
約束を覚えていてくれたこと
あなたなりに考えた結果
たとえ望まない過去の過ちがあったとしても
今、こうして俺を抱きしめてくれている
その真実が俺には全てなんだ
どんな能書きを並べたって
俺の未来を決めることは
あなたにだって出来やしない
そう・・・決めるのは俺自身だから
俺の描く未来に
あなたは必要で・・・・・
俺の幸せを願うのなら
その隣にたたずんでいるのは
誰でもない
あなた自身であってほしい
何も考えないで・・・・
あなた自身の心を解放して
その上で俺を見て欲しかった
あなたが俺を自由にするというのなら
俺は、・・・・・・
迷わずあなたを選び
あなたの言う柵や常識何て奴がどれだけ俺に
無意味かを知らしめる
あなたが手に入るのなら
何を失ったって構わない
あなたが欲しくて
この胸に抱きしめたくて
やっと・・・・この手にできるのに
みすみす手放すことなんて
出来るわけがない・・・
智くん・・・・・
俺はこれからあなたを抱く
どんなに拒んでも
やめない
たとへそれが本心だったとしても
これが夢でも現実でも
どちらでも構わない
あなたを感じる事が出来るのなら
この一瞬に俺の全てをかける
智くん・・・・・
俺はあなたが好きだ
もうずっと前から・・・・
あなたに夢中なんだ
思いの深さはあなたにも負けない
気が狂いそうなほど
あなたに・・・・溺れている
もう・・・待つことは止めたんだ
あなたを俺の・・・・
俺だけのものにする
「智・・・くん・・・」
宙を彷徨う俺の手は
あなたに触れることができるのだろうか・・・・
「智くん・・・・・」
どうか・・・この手を取って
薄れる意識の中
あなたを探す・・・・・
ショウ・・・・・



