昇りつめて身体を震わせる翔くんを

抱きしめ自分も限界を迎える



ソファーに崩れ落ちていく翔くんが

俺を離すまいと縋りつく

その姿が愛おしくて



そんな翔くんからしばらく抜け出せないでいた




・・・・・このまま一つになってしまえばいいのに




呼吸を整えながら


翔くんと繋 がったところじっと見入る




そして・・・


ゆっくりと引 き抜いた








翔くん・・・・・


翔・・・・・



大好きだよ・・・・・


・・・・・アイシテル



アイシテイタヨ・・・・・





何度も、何度も

心の中で叫ぶ


声にしてはいけない思いを何度も・・・・・



翔くんで一杯になった心は


温かで・・・・


満たされていた


懐かしい甘酸っぱい想いが

全ての感覚を覆う


安らぎに似た


心地よさがここにある




酷いことをしてきたのに

変わらずに熱い想いを俺に注いでくれる


翔くんは・・・・


やっぱり、俺にはもったいないくらいのいい男で


だからこそ、幸せになってほしかった


俺との未来じゃ無くて


もっと別の形の未来を・・・







なんて・・・・・きれいごとだ


そんなこと等に翔くんは承知していた


その上で・・・


俺の手を取ったのに


その手を俺は離した


自分に自信がなかったから


ただそのためだけに

最愛の人を裏切った


翔くんの変りなんてどこにも

いなかったんだ

分かりきったことなのに


寂しさと、苛立ちで

バカなことをしてきてしまった



過去は消せない・・・・


そんな気持ちのまま


翔くんに触れてはいけない気がしていたんだ







さっきまでは・・・・・







会えば・・・

会ってしまえば

どうしたって・・・・


閉じ込めた想いが暴れ出す


翔くんを前にしたら


浅ましい欲望だけが

湧き起る・・・・・





欲しくて、欲しくて、欲しくて


ずっと傍にいたくて


翔くんだけを感じていたくて




どうしよもないほどの独占欲で

ドロドロになっていくんだ






・・・・翔くん

俺を愛して

何も考えられないほど

翔くんで埋め尽くして




力なく横たわる身体に触れ

荒い息遣いの翔くんを抱きしめる


その瞳に

俺をもう一度映して欲しい・・・・



翔くん・・・・・



俺は・・・どうしたらいい?


もうわかんないよ



翔くん・・・・




溢れ出る想いが口をつく








「あいし・・・てる」