肩をゆすりむせび泣く智くんを目の前にしたら


もう今までの事なんかどうでもいいと

思ってしまった


智くんのしてきたことは・・・・


半分俺のせいなわけで


今日を待たなくったって


話すことは出来たはずだった


けれど・・・頑固だからね


智くん



言い出したのがあなただから


きっと最後まで貫いてしまうだろう


心が壊れたとしても・・・


だから・・・待つしかなかった



俺も・・・全く何もなかったわけじゃないし


いうなれば・・・・形は違えど

智くんと同じようなことをしてきたわけで




心の隙間を埋めるものが欲しかっただけで


結果・・・唯一無二の人が誰なのかを

知るところとなったわけだが・・・・




智くんも・・・・・


同じ思いでいてくれていることを


願わずにはいられなかった



さすがに十年は・・・・長すぎだよ

智くん・・・・・


俺・・・何度も挫けそうになった(苦笑)





でも・・・智くんが無意識に見せる


縋るような視線が・・・ずっと


変わらなかったから


なんの確証もない約束だったけれど


俺は・・・・忘れないって


決めたんだ・・・












まだ・・・泣き続けている智くんの


そばに寄り添い


肩を抱き寄せる


強張る身体はいまだ俺を拒んでいるかのように


小さくん震えている・・・


でもきっと・・・同じでしょう?


智くん・・・・



思いは繋がっているよね?




「智くん・・・・もう一度、始めてみない?」





十年前の約束・・・・


あなたからの答えを


待つ・・・・