
翔くんが言った言葉を
繰り返す・・・・
何度も何度も繰り返す
そんなことって
あってもいいのだろうか
俺の返事を待つことなく
それは始まる
誰もいない楽屋の一室に
二人だけの世界
翔くんが鍵をかけたその部屋は誰一人
入ることはできない
にじり寄る翔くんの影が
俺の影に重なる
気の遠くなるような抱擁に合わせて
繰り返し絡め取られていく
唇は熱を持ち絡まる舌に意識が集中する
でも・・・やっぱり
真っ新では無い身体を触れさせたくなくて
両手を身体の間にいれ
精一杯の抵抗を試みるも
抗うことを許されず
皮張りの冷たいソファーへと両の手が縫い付けられる
穢れた俺を綺麗にするって・・・・・
そもそも穢れているのは自分なんだって
翔くんの言っている意味がのみこめないでいた
身体に翔くんの重みが加わる
身動きできない身体はそれをまるで喜ぶかのように
布越しの温もりを求める
目の前に近づく翔くんの唇が
何かを言っている
「・・・・智くんの相手を・・・が・・・たんだ
だから、穢れているのは俺・・・・」
翔くん?・・・
大事なところが聞けないまま
翔くんによって高められていく
不思議と・・・・
抱かれる感じに違和感がない
まるで俺の身体を知りつくしているような
扱いに・・・・
戸惑う・・・・
同じだから・・・・・
今まで肌を重ねてきた人と同じ抱き方を翔くんがする
唇を這わす場所が・・・・同じ何て
そんな偶然あるんだろうか?
チラチラと湧きあがる不安と違和感が
俺の意識のなかに見え隠れする
だが・・・・執拗な愛撫にそれすら考えられなくなっていき
いつしか自身でも翔くんを求めて
揺れ動いていく・・・・
堕ちていく・・・・
翔くんの毒に身体中が痺れていくのがわかる
いっそのことこのまま逝ってしまえたらいいのに・・・・・
そんな中俺は絶頂を迎える