『ただいま』と、帰ると何やら真剣な表情の翔くん


何をそんなに夢中になっているのかと思えば・・・・・


携帯ゲーム・・・・・


珍しい、見たことなかったから


翔くんもゲームするんだな・・・・・(笑)




・・・・・・・・・。



いつもの纏わりつくようなお帰りの

アイサツが今日はない・・・・

なんだか少し寂しい。



荷物を置いてビングに戻る



テーブルに用意された夕飯

今日の当番は翔くん

料理の腕は今一だが最近は少しづつ

覚えてきては色々と試しているようだ

なんのためかは聞かない







・・・・・・・・・?




黒く光る物体を一口放り込む


(んっ?・・・・から揚げか?)


こげた味の隙間から肉汁が現れて

これはこれで・・・・旨いかも


まぁ、味音痴の俺としては、何でもいいんだ

特に翔くんの作るものなら


見た目なんか気にしない

何でも食う!!




冷蔵庫からビールを取りだし

真剣な眼差しでピコピコゲームをしている翔くんを

眺めながら先に一杯はじめる




喉が渇いていたせいもあってか

ビールはあっという間になくなり二本目に手がかかる




翔くんは・・・・相変わらずゲームに夢中


俺の存在を忘れるほど

それくらい夢中




ニノじゃあるまいし・・・・・


そんな声が漏れそうになった



いや、ニノならゲームしながらでも

俺を把握している

・・・・あいつは器用だからな(笑)



一向にゲームから離れそうにない翔くんに

焦れた俺は声をかけた


「翔くん、ご飯は?」



「・・・・・ん、先食べてていいよ」



・・・・・・なんだそりゃ?

こっちも見ないで「から返事」って

おい!!(怒)

その言葉にイラついた俺は

二本目を一気に流し込んで

三本目を取りソファーにもどると



ふと、視界に入ってきた翔くんの顔



ゲームをいつの間にかやめて


俺を見てる・・・・・・


満面の笑顔で



「・・・・・・な、なんだよ!」




翔くんがゆっくり立ち上がり俺の傍まで来ると


手にしていた三本目のビールを開けて

目の前でゴクゴク飲み始めた・・・・



「なんだよ、それ俺のだろ、自分でとって・・・・・・」



突然のビールの味・・・・



その先の言葉は

翔くんによってのみこまれていた・・・・

泡の付いた少し冷たい

でも・・・優しいキス


ゆっくりと離れていく唇が・・・・


イラついていた俺を別のものに

変えていく


「・・・・・翔・・・おかわり・・・」


クスクスと笑いながら

そんな俺におかわりをくれる


今度のおかわりは


かなり濃厚で・・・・・・


俺はそのままベッドまでお持ち帰り


気づけば逞しい翔くんの腕の中で


快楽の波に飲み込まれ翔くんと同じ

リズムでその波に漂っていた




いつもと同じ風景が

そこにある

気づかないだけで


手を伸ばせばいつだって

そこにあるんだ


それを確かめたくて俺は翔くんを手放せない

翔くんも同じだといいな




薄れる意識の中で

翔くんが言っていた


・・・・いつも智くんが俺にしていることを

今日は俺がしてみたんだよ・・・・・・って・・・





俺・・・・・もうゲームやんない





心地よい気だるさの中


俺は・・・眠りに落ちた

翔くんの腕の中にくるまって




大好きだよ・・・・って



聞こえているといいな・・・・・