翔ちゃんから離れて

また桜の季節が来た



薄っすらピンクに咲き誇る桜って

綺麗だけど・・・・

翔ちゃんを思い出しちゃうから

あまり見ないようにしてる・・・


二宮さんがぴたりと来なくなったと同時に

松本さんも・・・

来なくなった



その変り・・・松本さんは

斗真の家によく来るようなった


そう言うことらしい(笑)



・・・二宮さんは何で

急に来なくなったのだろう?



少し期待していたんだ

二宮さんから翔ちゃんに伝わることを


でも・・・何も変わらなかった


あたりまえだけど



だって・・・・

僕は必要とされていないから








     ・・・・・・・・・ハナミズキの頃3












松本さんと・・・斗真

すごく幸せそうで

僕もあの時もう少し勇気があったなら

翔ちゃんの隣で

笑っていられたのかな?


なんて・・・今さらなんだけどね









僕の想いが翔ちゃんにとって

迷惑の何ものでもないのなら

ずっと黙って傍にいることは

僕には耐えられなかったから

どちらにしても選んだかもしれない

こうすることを



でも・・・

もしかしたら・・・・

僕を探しに来てくれるのかも知れない


なんて期待していた自分がいて

幸せそうな二人を見るたびに・・・

へこむんだ

かなり・・・・・



最近・・・やけに

翔ちゃんを思い出す・・・・


心は正直だ


素直じゃないのは

僕の・・・・・





ある日の昼休み


そんな僕を励ますつもりなのか

斗真が昼をご馳走してくれることになった



自分の店の飯はいやだ!

って斗真が言うから

向かい側の店でランチを取ることになった


少し高そうだけれど

遠慮なくいただくことにした(笑)



店に入ると足元に

小銭が転がってきた

何気なくひろい上げて

それらしき人を探すと、レジの前で

他の小銭を拾い集めてる人がいた


「あっ、これ・・・・・・!!!」





・・・・・・えっ、うそだ




そんな・・・・・・





身体が震えた





見間違うはずのない人の背中が

僕の目の前に・・・・・・いた





















・・・・・・翔・・・ちゃん