「翔ちゃん・・・・・」
「ん?・・・どうした?智」
「なんで・・・僕なの?」
「?・・・・なにが?」
「なんで・・・・僕を選んだ・・・の・・・?」
「智?・・・・」
それから間もなく
あいつが俺の前から消えた
桜舞い散る
そんな季節だった
その頃になると毎年憂鬱になる
あの日・・・智に何があったのか
なぜ、急にそんなことを言いだしたのか
分からなかった・・・
「翔さん・・・また?浮かない顔して」
「うるせ~よ、ほっとけ」
ゲームばかりしている奴にも
伝わるくらいに
俺のメンタルは最悪だ
智と・・・いた頃は好きだったのにな
今じゃこの季節は・・・・
一番嫌いだ
「そう言えば・・・翔さんの家に居候していたあいつ・・・
名前なんだったっけ?」
「・・・・なに?突然・・・」
胸騒ぎがした・・・・
「いや、この間さ、よく似たやつ見かけたからさ、名前思い出せなくて」
「・・・・会ったの・・か?」
「あったと言うより・・・・行ったらそこにいたって感じ?」
「そこって・・・・どこだ!」
「翔さん?・・・・」
あいつが・・・いた?
何とも言えない感情が身体を駆け巡る
伴に過ごした時間がすぐによみがえってくる
俺は・・・・
今でもあいつが・・・・・
忘れられないでいるのか・・・・
それからの事はよく覚えていない
二宮から聞きだした場所に
向かっていた・・・・



