智くんが降ってくる
重力に反して俺の上に
背中に廻す手が彷徨う
このまま抱きしめてもいいの?
・・・いや、何も考えない
ただ心のままに・・・・あなたを
細く引き締まった身体を引き寄せあなたに俺を刻む
唇はあなたを求め続けどこまでも深く
それに応えるようにあなたの長くしなやかな指が
俺の背中を這う
捲し上げられたシャツから
感じるあなたの想い・・・
こんなに近くにあった真実
こみあげる感情を抑えきれずにあなたの頬を
両手で包みこみ何年越しかの接吻に溺れる
一瞬でも離れることが惜しい・・・
あなたの奥の焔にもうすぐ辿りつける
静寂の時二人が交わすくちづけ
その音だけが耳に届く
他にはもう何も聞こえない
あなたの鼓動と俺の鼓動が重なり
一つになる・・・

翔くんに包まれる安堵感
ずっとこの胸を求めていた
片時も翔君の唇から離れたくなくて
ずっと感じていたくて
翔くんの全部が欲しくて
その熱を・・・確かめたくて
素肌に這わす指が不安を消し去って行く
逸る気持ちが俺を大胆にしていく
翔くんの大きな掌に包まれる頬に
熱を帯び「もっと」と
ねだるように翔くんに絡みつく
止まらない想いが欲情に変わっていく
翔くんの熱をもっと感じたい
背筋から真っ直ぐ下に向かって辿って行く
ピクリと肩が震え
掴む手に力が入る・・・
・・・・行かないで
追いかける俺の肩を掴みゆっくり引き離すと
低く甘い俺の大好きな声で
囁く・・・
「・・・智・・くん・・ここじゃ上手くあなたを抱けない(笑)」

あっ、・・・・」
急に恥ずかしさが
こみ上げてくる
思わず顔を反らす
真っ赤になっているであろうそれを
見られたくなくて
「ご、ゴメン俺・・・夢中で・・・」
翔くんから身体を離そうとすると
グイッと引き寄せられ
フワッと身体が浮かび上がる
「えっ、しょう・・・」
横抱きにされ軽々と俺を持ち上げる腕力
一瞬ためらうが太く逞しいその首に腕を巻き付けた
見上げると
翔くんと目が合う
優しく微笑むような瞳で
俺を見下ろしている
嬉しくて・・・翔くんの肩に顔をうずめた
歩く振動で顎に触れる髪の毛が
くすぐったい・・・見下ろせば
俺を見上げる潤んだ瞳・・・
可愛い・・・
そして・・・妖艶
肩越しに顔を寄せられれば
思わす身体中に走る疼き・・・
そのまま智くんの唇を塞ぐ
熱を逃したくて・・・
お互いを確かめるように絡みつき
貪るように求め合う
Kiss・・・・だけで
こんなにも想いが伝わるものなのか・・と
今日初めて感じたよ・・・
逸る気持ちを抑えゆっくり智くんをベッドへ下ろす
巻き付いた腕を
あなたは・・・離さない(微笑)
そして俺に囁く
「これで思いきり翔くんを抱ける・・・」
「・・・・ゴメン、それは無理・・・」
「えっ?・・・・」
とたんに不安な顔になる智くん・・・
放っておけば今にも泣きだしそうだ(笑)
そんな智くんが愛おしい

「・・智くんを抱くのは俺だから、だから・・・無理だよそれは」
そう耳元で囁けば
・・・ばか
と、拗ねる可愛い唇
チュッとkissをすれば
再びゆらゆらと灯るあなたの中の熱い焔
やっと・・・届く
あなたに・・・・
智くん・・・・・
あなたの闇を俺に

