甘い果実酒のように
それは俺を酔わせる
いつもただ眺めていた果実
熟れて美味になるまで待ち続けた
禁断の実・・・

今、俺の元に落ちてきた
極上の実となって

バランスを崩し廊下に倒れ込む
あまりの勢いに受け止められないくらい(笑)

柔らかい感触が俺の上唇に触れる
ゆっくり焦らすようにその果実が
俺の唇をなぞる
鼻先にあたる赤い実は
鼻筋をなぞり俺の瞼に
Kissをおとす

溢れ出る雫をその実がそっと拭う

俺は・・・泣いていたのか

あなたを待ち焦がれた
俺は・・・いま、やっと解放される

狂おしいほどの時間を取り戻すかのように
きつく抱きしめ合う
言葉は・・・いらないんだ
ただ・・・あなたを感じたい

触れるだけの果実はその身をわり開き
甘い蜜を流し込む
少しずつ・・・
少しずつ・・・
遠慮がちに俺の中へと辿りつき
秘めた思いを解き放つ・・・

あなたの柔らかな感触は俺の中に溶け込み
絡まり一つになる
熱を増した甘い蜜は溢れ口角をたどり流れ出る
なおも離れまいとする二つの想いが
激しく交差し求め合う


いつしか・・・吐息に混じる熱に侵され
その首筋の蜜に舌を這わす
残さず己のものにするかのように
堅くまわされた腕に指に力が増し
息もつけないほどの
抱擁と接吻を繰り返す・・・
鼓動が激しく俺の脳に響いてくる
あなたの重みを感じる幸せ・・・
あなたの熱を感じる幸せ・・・



ようやく手に入れた・・・
一番俺の欲しかったもの・・・・
あなたの心・・・
あなたの想いは留まることなく
俺に向かって流れ込む
瞳の奥で揺らめきだす欲情の兆しに
ドクンと心臓が跳ねた