あれは・・・何度か見かけた車
乗っていたのは智くんだった・・・
相手は・・・斗真?

隣で眠れるほど気を許せる相手ってことなのか
俺じゃなくそいつを選んだのはなぜなの?
あの時・・・
智くんが俺を拒んでいたなら
諦めもついたのに・・・

あれは・・・
嘘じゃ無かった・・・
確かに・・・
俺に応えてくれていた





・・・・その時だけは真実だったはず
心まで欲しいなんておこがましいと思ったんだ
俺の想いが強すぎて
きっと智くんには重たすぎると
そう思ったから・・・

だけど智くんは何もなかったように
笑った・・・俺に
これ以上・・・何も言うな
そう言われている気がした

智くんの真意が知りたくて
会って話がしたくて
何度も足を運んだ
会えるまで
偶然でも何でもいいから
会って想いを伝えたかった





だけど・・・

必要とされていたのは
俺じゃ無かった・・・・


・・・・いや


それ以前に




俺は・・・・智くんに
気持ちを伝えられていたのだろうか?

身体から始まってしまった
間違った関係だったけれど・・・
智くんは・・・・
誰でもいいなんて思う人じゃないはず!

少なくとも・・・それが智くんの
答えだったとしたら
俺は・・・いらないって

心はいらないって
そう言ったんだ

・・・バカだ俺

だから・・・智くんは
俺から・・・・


そうじゃないかもしれないけれど
もしそうなら

俺は・・・・もう一度



手に入れる



何年かかったっていい
他に好きな人ができたとしても・・・
奪う
相手が誰であろうと
手に入れる絶対!

それまで・・・・
智くん・・・
あなたには絶対に触れないと
約束するから・・・・
俺のことを心から欲しいと思ってもらえるまで
もう間違ったことはしないから
正攻法性で落とす!!
斗真がしたことは
許せないけれど・・・
そんな事言う資格俺には・・・ないけれど

そうさせたのは俺だから
あなたが誰を選ぼうがそれは
本意じゃないはず
己惚れているのは
重々承知
俺・・・
決めたから・・・・

あなたを絶対に振り向かせてみせる
どんな事をしても・・・・
絶対に・・・



「智くん・・・智・・・・」