もう・・・・どれだけこんなことをしているのだろう





智くんが・・・俺に向かって笑うようになったのと同時に
触れることが出来なくなってしまった
まるで・・・以前のままの智くんに
想いを募らせていたころの智くんに・・・・
そして・・・そのころの俺に
戻ってしまったようだ・・・
せっかく、この手に入れられたと思ったのに
あんな形ではあれ・・・応えてくれてことが
智くんの俺への答えだと思ったのに・・・・


歯がゆい・・・
なにもできない自分に

仕事上の智くんはそれはもう
輝かんばかりの笑顔を振りまき






俺を・・・すべての人を魅了する
俺だけのものにしたい
その思いは日増しに強くなっていく
だが・・・それに相反して離れていく
心が・・・・痛い

智くん・・・この想いはどうしたらいいの?
俺は・・・智くんへの想いを捨てなくちゃいけないの?
変わらぬ微笑みはなにを意味しているの?
聞きたい事がありすぎて
どうにもできない俺を

誰か止めてくれ・・・・
このままではいずれ智くんを・・・
壊してしまうから







「おーちゃん・・・最近どうしたの?」

「ん?なにが?」

「無理して笑ってる・・・・特に・・・」


「斗真・・・」



「ゴメン、何でもないよ」


俺は・・・数カ月前から
おーちゃんとよく会うようになった
ドラマで共演したのがきっかけで
何度かご飯に誘われたり飲みに行ったり・・・
以前も会ってはいたけれど・・・
だけど、このところ頻繁に誘われることが多くなった気がする
あってもこんな感じで
心ここにあらず・・・





あの人のこと・・・考えているのかな?
名前を口にすると多端に機嫌が悪くなるのが分かる
めったに感情を出さない人なのに・・・
自分で自覚していないところがまた
いいのだけれど・・・・・

俺は・・・おーちゃんが必要としてくれるまでの
・・・それまでの代わり
最初から期待していない関係とは言え・・・
時々・・・漏れ出る色気に
手を出しそうになる・・・・・
今のおーちゃんならきっと拒まないだろう
はははっ、おーちゃんがその気になっても
俺は手だしなんか出来ないけれど・・・
俺・・・ナルシストなんだよね
おーちゃんが欲しくて苦悩している俺が
すごく好き!
自分で自分に欲情するの(苦笑)





もし、おーちゃんが本気になったら・・・そりゃ大事にするよ
だけど・・・心に別のひとが住んでいるのに
無駄な努力してもね・・・
おーちゃんの性格上その人を決してそこから
出さないのわかってるし・・・
それ知ってて、俺のこと誘ってるんだろうな
おーちゃん・・・
可愛い顔して・・・・やる事エグイんだから(笑)

「・・・なんだよ、何か言いたげだな」

「あははっ、別に何でもないよ・・・今日は?泊まって行くの」

「・・・・いや、明日・・・朝一で仕事だから、もう少ししたら
帰るよ・・・」

「そっ・・・じゃぁ~・・・送るよ、買い物あるし」

「・・・・あぁ、じゃぁ、頼む・・・」

・・・・やっぱり笑わないなぁ・・・・
俺の前でも
笑った顔・・・俺もかなり好きなんだけどね
あの人じゃないと・・・
やっぱりダメなんだね
何やっているんだか・・・
無駄な時間を・・・・・二人とも

ほどなく送る時間になりおーちゃんに声をかける

顔をこすって必死に眠気と戦っているその顔・・・
いつまでも眺めていたいほど
やぱっり・・・・・可愛いと思ってしまう
Kissぐらいなら・・・もらってもいいのかな?

ねぇ・・・翔くん、どう思う?(クスクス)