疲れ切った僕の心は・・・


ただ君の存在を探す

身体中の細胞が無意識に君を探しだす
気配でそれが君だと理解するまで
そう時間はかからない
それほど僕は君に飢えていた

君は・・・僕がこうなることを
予測していたの?
あり得ない真実が目の前にあり
その事実を受け入れられない僕がいる
僕が好きになった君は
いつも笑っていたんだ
その笑顔を一人占めしたくて

それなのに・・・
君は僕を見る時悲しそうな瞳で笑う

そんな君が欲しかったんじゃない
そんな君にしてしまったのが僕なら
君が元に戻れるようにしたい・・・


僕は心を解放する
出会ったころのままの純粋な
想いを取り戻せるように・・・
何もなかったあの頃のように
君と他愛のない話で笑い合えた頃のように

きっと君は驚くだろう・・・
まるで違う人間が目の前にいるかのように
それでいい・・・
僕であって僕でない
そんな人間にいつまでも囚われてはいけない
君は・・・陽のあたるところへ
帰るべき人間なのだから



どれ位そうしていたのだろう
煌々とついていたライトは一部のみを残し
綺麗に消されていた・・・
いつの間にかソファーに横になっていた僕は
気だるい身体を起こしかけ気づく・・・
君の・・・香りに

「・・・しょう・・くん?」

腹の上に掛けられていた君のジャケットから
漂う・・・・シトラスムスクの香り

辺りには、もう人の気配はしない
帰ったのか・・・
しばらくその香りに抱かれるように
ソファーに倒れ込み・・・ジャケットを抱きしめ
その香りに顔をうずめる



最後だから・・・
最後にもう一度だけ
君を想うことを・・・許して

頭の中を君が巡る・・・
爽やかな笑顔の君を想い浮かべ
僕の中の君に・・・

最後のkissをした


「さよなら・・・翔くん
そして・・・
ただいま・・・翔くん・・・・」


この日
君の前から・・・


僕が消えた