「ねぇ、ニノ・・・」

「・・・なに?」

ゲームをしている俺の隣でゴロンと横になりながら
話しかけてくる相葉さん




退院するまで大野さんの事を一番近くで見てきた人

きっと何も知らないから・・・先入観で話をしないから

大野さんも安心出来るのだろう・・・

その相葉さんがいきなり核心をつくようなことを言う




「リーダーは、なぜ翔ちゃんのことを忘れているの?

あんなに好きなのに・・・なぜ、芽生える感情も忘れようとしているの

俺にはわからないよ・・・




リーダーね、眠りながらよく泣いていた


寝言では『翔くん』て、呼ぶのに・・・・目が覚めると

名前すら出さない・・・悲しい顔しているのに

それも認めようとしない・・・」





「・・・・芽生える感情?なにそれ」




手元のゲームを放りだし

相葉さんに詰め寄る・・・




「ん?俺もよくわんない、だけど翔ちゃんの事

きっと特別な感情で見ているんじゃないかなって

思う瞬間があったから」





「相葉さんは今回の件どこまで知っているの?」




「・・・どこまで?そんなの知るわけないよ!

だって誰も教えてくれないじゃん、俺だけいつも蚊帳の外って言うか

だけど・・・こんな悲しい顔するリーダーは見たくない

泣いてるんだ・・・リーダー心が泣いてる」





忘れているはずの感情が別の形で現れてきても

不思議じゃない・・・



もともと、大野さんには翔さんしか見えていなかったのだから

それでも大野さんは無意識に翔さんを忘れようとする・・・

それほどまでに翔さんの未来を愁いでいるのか

自分が関わることで翔さんが不幸になると・・・・

葛藤した結果出した答えに納得している?

いや・・・出来るわけない

それならとっくに答えは出ていたはず

翔さんとの未来を望んだ時から





「相葉さん・・・大野さんのこと好き?」


「もちろん!!大好きだよ」


「じゃぁ、大野さんが幸せになるためなら何でもする?」


「何でも??うん、するする!!」



・・・ホント単純と言うか・・・素直と言うか

相葉さんらしい・・・




大野さん・・・お節介かもしれませんが

いささか今の状況にうんざりしているんです

俺は!


なので、俺なりのやり方で思い出させてみせます

事務所側だって気の抜けた仕事なんかして欲しくないだろうし


そこらへんの駆け引きは俺に任せてもらって

二人には・・・元に戻ってもらいます


嫌でも・・・




「相葉さん!明日から忙しいから今日はゆっくり寝たほうがいい」



「えっ!!泊まっていっていいの??(嬉)」


「いいわけないでしょ!早く帰んなさいよ」



「チェッ、つまんないの・・・・」





「ウッ・・・そんな顔したってダメだって、帰んな!」



ったく、無意識かどうかわかんないけどこの人時々


ドキッとするような顔するんだよなぁ~


俺も・・・何ときめいてるんだか(苦笑)




「あぁ~!!今のニノの顔すっごく可愛かった!!」



「ばっかじゃないの!」


真っ赤になった顔を相葉さんに見られないように

腕で隠す・・・



「うひゃひゃひゃひゃ」



こいつ・・・・・・後でたっぷり苛めてやる


覚えてろ!!






・・・・早く二人にも笑顔が戻るといい


それを俺たちも望んでいる



心から・・・・